拾われた先はキンプリハウス

『勝手すぎるだろ』 ページ42

S:勇太



「ただいま…」



海人くんが入院してるから、
みーんな付きっきりか、お見舞いで
家にほとんどいない。



みんな俺のことなんか忘れちゃってさ…




朝ごはんは食べずに、
学校に行って、俺のことなんか忘れてるから
お弁当なんかない。



友達「お弁当は？」


「今日は食欲ねー」


そんな嘘をついて、
お昼の時間は屋上でゴロゴロして過ごす。



で、学校が終わったら
俺のこえが
家に寂しく響く。


誰からも返事なんかない。



学校に行くことすら億劫…



その日からだんだんと遅刻していくようになった。



担任「勇太くん。どうしたの？
最近、かなり遅刻多いけど。」



「別にいいじゃん。先生に関係ある？」



担任「関係大有りでしょ？笑
勇太くんは、成績いいんだから勿体無いよ。」



「勉強できてんだからいいでしょ？」



担任「待ちなさい。もう…」



いい先生なんだけど、
今日は注意されたから
だるくて家に帰った。


優太「え？おかえり。」



「………なんでいんの」



優太「こっちのセリフだよ。
学校はどうしたの？」



「だるいから帰ってきた。」



優太「え？熱？」



「触んなよ…ちげーから。」



優太「なんだよ、その話し方。まったく…」



こんなんなら帰って来ないで学校で時間潰せばよかった。



俺ちょっと前まで家族のこと大好きで、
結婚とかもしないでずっと一緒にいたいとか
思ってたのに…


あいつらがきて、
顔を見るとイライラして、
最悪な気分が続く…



優太「勇太？ちょっとこっちおいで。」




「勝手に部屋開けんなよ」



優太「勇太。さっき先生から
連絡あって、課題も出さない、
遅刻も多い、授業すっぽかす。
そんなことが続いてるんだって？」



「…だから？」



優太「だから？じゃないよ。
医療か福祉関係の職業に就きたいんじゃないの？
いいの？中学から勉強難しくなるよ？」



「勉強できっからいい…」



優太「勉強だけじゃない。
協調性も必要になるし、時間守ることもだいじ。」



なんだよ今更。



先週の授業参観も約束してたのに、
結局忘れて来なかったじゃん。誰1人として…



なにが、時間守るだよ…


時間どころか約束も守れてねーじゃん。



わかってるよ、あの2人の世話で
俺のこと忘れてたんだろ？



だったら今更中途半端に説教とかすんなよ。



ほんとみんな勝手すぎんだろ。

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