温もり56 ページ6
「あの、もしかしてオロチさんがまたさくらニュータウンに来たのって人間界に危機が訪れようとしてるとか……？」
そう言うと土蜘蛛さんは笑った。
「面白いことをいうな。発想が子ど……いや、忘れてくれ」
一生忘れない。
絶対子どもって言いかけた。
「早く戻れ。オロチが心配するぞ」
「……はい」
来た道を戻るとえんらえんらさんと出会った。
「ここに居たのね〜」
「ごめんなさい……」
「向こうでオロチが待ってるから行きましょ〜」
私はえんらえんらさんとオロチさんが居るというところに向かった。
「そういえばここどうしたの〜？」
と、えんらえんらさんは首のばんそうこうに触れた。
「朝起きたら、なんか……虫刺されたみたいな……。でもあざみたいに広がって、茶色くて……えっと」
説明に戸惑うとえんらえんらさんは私の肩をがしっと掴んだ。
「え、なに……いたたた!!」
なにかと思うとえんらえんらさんは首のばんそうこうを引っぺがした。
「うーん……これは〜……」
ぎゅっと眉をしかめる。
「……これは"キスマーク"ってやつかしら〜」
「き、キスマーク？……なにそれ」
えんらえんらさんの顔を見ると、にやにやと意味ありげに笑っていた。
「強くキスするとこうやって軽いあざになるのよ〜。自分のものって印なのよ〜」
「え、私自分で届かないよ……」
私はその跡を触れた。
「鈍いわね〜……。主に男女が"アレ"する時男が女につけるのよ〜。お前は俺のもの！……ってね〜」
「え、それ私知らない間に"アレ"されたってこと……」
「……そこまで行ってないと思うけど〜。脈ありってことかしら〜」
本当なのかは分からないけれど。
そういう意味なのか。
だけどオロチさんは今、怒ってるかもしれない。
確証はないのだけれどもしかしたらって思うと心配なわけで。
首のあざも気になるところだ。
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ぐりーん(プロフ) - もうこれ何度見返しても涙…好きすぎる（ ; ; ） (2022年1月16日 16時) (
レス) id: c2e222939c (このIDを非表示/違反報告)
いちご - 感動しました、、、 (2020年4月16日 19時) (レス) id: be295054f5 (このIDを非表示/違反報告)
黒咲優乃 - これ絶対誰でも泣きますよ...感動&少し切ない...良い物語ですね。何年、もしかしたら、何十年か後、主人公がオロチ達とまた再開出来たら良いなぁと思いました (2018年12月25日 0時) (レス) id: c26dd69b91 (このIDを非表示/違反報告)
奈乃 - 泣いちゃいました！ (2017年11月19日 12時) (レス) id: e19d1310b2 (このIDを非表示/違反報告)
彩花 - 感動してに泣きました。 (2017年6月5日 19時) (レス) id: 463cc6db15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：剣城京菜 | 作成日時：2016年3月3日 16時
