温もり70 ページ20
オロチさんは私と目が合うと身体を起こした。
そして頭を抱えると深くため息をついた。
「A、話がある」
「は……い……」
自然と背筋をぴん、と伸ばした。
「……気づいていたのか」
と、オロチさんは自分の首を指でさした。
「だってオロチさんしかいないから……」
「いや、考えてみればそうか……」
またオロチさんは、深くため息をついた。
「私にも分からない。何故こんなことをしたのか……Aを見ると理性が効かなくなる。しかし、これは許されぬ行為だった……」
オロチさんはベッドからおりたかと思うと、窓を開けた。
一気に部屋の空気が冷たくなる。
「待って……っっ」
私は慌ててオロチさんの腕を掴んだ。
「行かないで……まだ話は終わってないよ」
「いや、もうわかり切っていることだ……今までありがとう」
嫌だ。
そんな顔しないで。
そんなこと言わないで。
「私、オロチさんのこと好きだよ……大好きだから……行かないで……っっ」
震えた声で気持ちを伝えた。
7年前までの自分では考えられないこと。
躊躇してしまうこともあったけれどやっぱりこの気持ちは無いことには出来なかった。
数秒目と目が合う。
お互いに顔を近づける。
「ん……っっ」
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ぐりーん(プロフ) - もうこれ何度見返しても涙…好きすぎる( ; ; ) (2022年1月16日 16時) (レス) id: c2e222939c (このIDを非表示/違反報告)
いちご - 感動しました、、、 (2020年4月16日 19時) (レス) id: be295054f5 (このIDを非表示/違反報告)
黒咲優乃 - これ絶対誰でも泣きますよ...感動&少し切ない...良い物語ですね。何年、もしかしたら、何十年か後、主人公がオロチ達とまた再開出来たら良いなぁと思いました (2018年12月25日 0時) (レス) id: c26dd69b91 (このIDを非表示/違反報告)
奈乃 - 泣いちゃいました! (2017年11月19日 12時) (レス) id: e19d1310b2 (このIDを非表示/違反報告)
彩花 - 感動してに泣きました。 (2017年6月5日 19時) (レス) id: 463cc6db15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2016年3月3日 16時