温もり63 ページ13
「鈴……寒いよ」
鈴の手を触ると冷たく、微かに触れていた。
私は身体を密着させるように鈴の隣に座った。
「なんで……助けに来たのよ」
「え、なに……」
「だから……なんで助けに来たのよって言ってんのっっ!!」
突然声を荒げる。
遠くで鳴いていた犬が黙った。
「……あんた鬱陶しいのよ。こんな夜中までわざわざ来るなんて……っっ」
なにがなんだかよく分からなかったが、私が気に障るのは確かだ。
だけど、私は一度我慢をした。
「人の気も知らないで……っっ平気で話しかけて来て……っっ本当嫌い!!大っ嫌い!!帰って!!私はこんなの求めてなかったのに!!」
腹の奥底で煮え立つような感覚。
憎らしく見えてくる。
「……電話して来たのは鈴だよ。なのにそういう言い方無い……っっ言わなきゃなにも分からないよ……」
「……ほんっとなんにも分かってない」
と、鈴は私を睨みつけた。
「……だから言わなきゃわかんないよ。え、なに彼氏にでもふられたわけ?」
嫌なこと言われた腹いせに嫌味たっぷりに1番鈴がこたえることを言った。
だけどそれは地雷だったらしい。
「分かってんだったら来ないで……っっ!!」
鈴は私の腕を引っ張り家を追い出した。
「……A」
そこにはオロチさんがいた。
「……喧嘩しちゃった」
私はオロチさんの胸に顔を埋めた。
オロチさんはそっと抱きしめてくれる。
いくら泣いても、なにかすっとしない。
もやもやが無くならない。
きちんと謝らなくちゃ。
そうしたら許してくれるかな。
そうしたらまた、一緒に学校行って一緒に帰られるかな。
また、友達になってくれるかな。
32人がお気に入り
「妖怪ウォッチ」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぐりーん(プロフ) - もうこれ何度見返しても涙…好きすぎる( ; ; ) (2022年1月16日 16時) (レス) id: c2e222939c (このIDを非表示/違反報告)
いちご - 感動しました、、、 (2020年4月16日 19時) (レス) id: be295054f5 (このIDを非表示/違反報告)
黒咲優乃 - これ絶対誰でも泣きますよ...感動&少し切ない...良い物語ですね。何年、もしかしたら、何十年か後、主人公がオロチ達とまた再開出来たら良いなぁと思いました (2018年12月25日 0時) (レス) id: c26dd69b91 (このIDを非表示/違反報告)
奈乃 - 泣いちゃいました! (2017年11月19日 12時) (レス) id: e19d1310b2 (このIDを非表示/違反報告)
彩花 - 感動してに泣きました。 (2017年6月5日 19時) (レス) id: 463cc6db15 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:剣城京菜 | 作成日時:2016年3月3日 16時