温もり52 ページ2
「んむ……っっ」
目を開けて思うのは全て夢だったということ。
なんという夢を見てしまったんだ。
隣を見るとオロチさんが眠っている。
夢は夢でも相手はここにいるわけで妄想を繰り返す。
夢でよかったという思いと、少し残念だという気持ちが交差する。
「オロチさん起きて」
とりあえずオロチさんを起こさないといけないので肩を揺さぶった。
「あ、朝か……」
珍しくすぐに起きて、オロチさんは部屋を出て行った。
制服を着て、髪をセットする。
全身鏡を見てチェックも怠らない。
部屋を出るとオロチさんがこまりを抱いて丸まっていた。
「……まだ眠いの?」
「いや……」
オロチさんはこまりを抱いたまま、部屋に入っていった。
「変なの……」
階段をおりるとリビングに入った。
「おはようAちゃん」
「パパおはよう」
席につくとママがキッチンから出てきた。
「ママおはよう」
「おはよう。あら、Aちゃんここどうしたの?」
ママは自分の首を指差して言った。
「赤くなってるわよ」
「蚊か?」
私は自分の首に触れた。
別にかゆくもない。
というかもう蚊は時期的にいないと思うけど。
「薬塗っとく?」
「ううん、大丈夫」
朝ごはんを食べ終わって部屋に戻ると、オロチさんはこまりを抱いてベッドに座っていた。
ふと首のとこをみようと鏡の前に立った。
赤色というより茶色のような感じで、蚊に刺されたというよりは傷の治りかけのようなものだった。
「……これなに?」
オロチさんにそれを見せると
「……よくあることだろう」
「そうなんだ……」
もう一度鏡を見る。
「一応ばんそうこうでも貼っておくといい」
「……うん」
偶然も起こりうるのだろうか。
夢の中でオロチさんにつけられたのも全く同じ場所だった。
32人がお気に入り
「妖怪ウォッチ」関連の作品
蜘蛛の民の血を受け継ぐ妖怪(パート2)
推しは推しと云う概念だからこそ推しと呼ぶのだその2【妖怪ウォッチシャドウサイド...
妖怪ウォッチ使い、「『妖』魔界」ならぬ『魔界』にいざ魔入る!Part5
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぐりーん(プロフ) - もうこれ何度見返しても涙…好きすぎる( ; ; ) (2022年1月16日 16時) (レス) id: c2e222939c (このIDを非表示/違反報告)
いちご - 感動しました、、、 (2020年4月16日 19時) (レス) id: be295054f5 (このIDを非表示/違反報告)
黒咲優乃 - これ絶対誰でも泣きますよ...感動&少し切ない...良い物語ですね。何年、もしかしたら、何十年か後、主人公がオロチ達とまた再開出来たら良いなぁと思いました (2018年12月25日 0時) (レス) id: c26dd69b91 (このIDを非表示/違反報告)
奈乃 - 泣いちゃいました! (2017年11月19日 12時) (レス) id: e19d1310b2 (このIDを非表示/違反報告)
彩花 - 感動してに泣きました。 (2017年6月5日 19時) (レス) id: 463cc6db15 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:剣城京菜 | 作成日時:2016年3月3日 16時