第五話 ページ5
後をついていくと見覚えのある場所にでた。
「む、随分と遅かったな」
「す、すみません」
「気にするな。オロチが連れてきたのか」
「はい」
「そうか、それはご苦労だった。さて、なにから話そうか」
土蜘蛛さんは向かいの岩を指差す。
私はそこに座った。
「あの、私はこれからどう生きていけばいいのでしょうか？生きるって言い方もおかしいですけど…もう死んでるのに…」
「それは自分で決めることだ。例に人に憑き共に暮らす奴もいれば山の中でひっそりと暮らす者もいる。妖魔界で生活する奴もいる。問題なのは妖怪になったことで手に入れた力だ」
「……力？」
「妖怪になったことでAちゃんはなにかしらの能力を手に入れたはずよ〜」
「能力？力？」
「その力は時に人を傷つけ己を傷つける。決してむやみに他の者を傷つけぬようにな。己の身が危険に及んだ時のみ、その力は使え」
そう言われても私にはなんのことかさっぱり。
「そう難しく考えなくていいのよ〜」
「ぁ、雨…」
「綺麗な星空よ〜」
空を見るとキラキラと星が輝いていた。
「まぁ、妖怪の生活に慣れるまで我らと共にくるといい」
その時だった。
ぽつ、ぽつと雨がはねる音がした。
「……雨か」
次第に雨は強くなった。
「Aちゃんの言う通りね〜」
私達は近くの洞穴で雨宿りをすることにした。
「雨のにおいは独特ですから…」
「Aは嗅覚に優れているのだな」
「昔から嗅覚には自信があるんです」
言ってしまえばそれしか取り柄がなかった。
でもこの取り柄は特に必要とされなかった。
妖怪となってしまった私はこれからなにを目的としていけばいいのだろうか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 36人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
剣城京菜(プロフ) - ロキさん» あなたの温もりはの続編を企画中です!!できるだけ早く投稿するので待っていてくださると嬉しいです^_^ (2015年11月8日 13時) (
レス) id: 3c3ce2d8b0 (このIDを非表示/違反報告)
ロキ - あなたの温もりはの続き書いてほしいです。 (2015年11月8日 8時) (レス) id: 27f7c75272 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - ナッツさん» 本当にご迷惑をおかけします……でも極力更新はしていくつもりなので最後までよろしくお願いします!! (2015年11月2日 23時) (レス) id: 3c3ce2d8b0 (このIDを非表示/違反報告)
ナッツ - 12/12まで更新がほぼてきないんですか･･･!?大変ですね!!気を長くして待ってます(^^*) (2015年11月2日 23時) (レス) id: 70b9dc3167 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - brownsugarさん» ありがとうございます!!これからもよりよい作品が書けるように日々努力します！！ (2015年9月21日 22時) (レス) id: 587c793b66 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：剣城京菜 | 作成日時：2015年8月14日 14時
