検索窓
今日:14 hit、昨日:4 hit、合計:54,481 hit

第十七話 ページ17

目を覚ます。

また、随分と寝ていた様だと思ったが窓から差す日差しからしてそうでもないとわかる。

体調はすっかりよくなってしまった。

両腕を天井につきそうな程伸ばす。


「ん〜〜っっよく寝た…」


それから目をごしごしと手の甲で擦った。

朝の空気でも吸おうと布団から出ようと体を起こした。

それと同時にタオルが落ちた。

まだひんやりとしていた。


「…オロチさん?」


玄関先で寝ていたはずのオロチさんがいつの間にか私の隣で行き倒れのような格好で寝ていた。

すうすうと寝息をたてて気持ち良さそうに寝ている。

寝顔が可愛いなと思った。

するとオロチさんは小さなくしゃみをした。

私はさっきまで自分が寝ていた布団に寝かせた。

そしてオロチさんが私がしてくれた様にお腹に毛布をかけて、濡らしたタオルをおでこにのせた。


「ありがとうございます、オロチさん…」


起こさないように、そっと耳元に囁いた。

私はなるべく音をたてないように扉を開けた。


「いい朝…」


真昼の太陽と違い、朝の太陽はとても清々しいと感じる。

しばらく小屋の辺りをうろついた。

近くに街が見えた。

きっとここはさくらニュータウンの近くの山なのだろう。

小屋に戻るとオロチさんが起きていた。

タオルを握りしめ一点を見つめていた。


「おはようございますオロチさん…」


私が話かけるとオロチさんは視線だけをこちらに向けた。


「帰れ」


返って来たのは冷たい一言だった。


「私、オロチさんに言いたいことがあるんです」


オロチさんは立ち上がり、私に向かって歩く。


「あの…、オロチさん…」


一切目を合わさずオロチさんは


「帰れ」


ともう一度冷たくあしらい飛び去ってしまった。

私は姿が見えなくなるまで見つめることしかできなかった。

第十八話→←第十六話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (43 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
36人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

剣城京菜(プロフ) - ロキさん» あなたの温もりはの続編を企画中です!!できるだけ早く投稿するので待っていてくださると嬉しいです^_^ (2015年11月8日 13時) (レス) id: 3c3ce2d8b0 (このIDを非表示/違反報告)
ロキ - あなたの温もりはの続き書いてほしいです。 (2015年11月8日 8時) (レス) id: 27f7c75272 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - ナッツさん» 本当にご迷惑をおかけします……でも極力更新はしていくつもりなので最後までよろしくお願いします!! (2015年11月2日 23時) (レス) id: 3c3ce2d8b0 (このIDを非表示/違反報告)
ナッツ - 12/12まで更新がほぼてきないんですか・・・!?大変ですね!!気を長くして待ってます(^^*) (2015年11月2日 23時) (レス) id: 70b9dc3167 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - brownsugarさん» ありがとうございます!!これからもよりよい作品が書けるように日々努力します!! (2015年9月21日 22時) (レス) id: 587c793b66 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:剣城京菜 | 作成日時:2015年8月14日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。