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四十四 再回答 ページ44

図書館を出て教室に入ろうとした瞬間、どたどたと近づいた足音のあと、背後から強く押され私は前のめりに転けた。


「痛い……」


体を起こすとぴしゃん、と扉を乱雑に閉める音が響いた。

驚いて振り向くとそこには荒く呼吸をした今にも泣きそうに怒った顔をした女の子が居た。


「……付け回していた奴だ」


オロチさんはぼそりと呟いた。

女の子は私より少し背が小さく、綺麗な髪を1つに縛っていて気が強そうな子だった。


「ねぇ、あんたどういうつもり⁉……先輩のことたぶらかさないでよ‼」


女の子は私の肩を強く突き飛ばした。

既にしゃがんでいるためよろけることも無かったが凄く痛かった。


「──……こんな奴に構うことはない。傷つく前に逃げろ」


オロチさんは私の腕をぐっと引っ張った。


「逃げないでよ‼」


立ち上がってすぐ、女の子は私と間合いを詰めてきた。

私を見るその目の奥は黒く淀んでしまっている。


「あんただけずるい‼私の方が……先輩のことずーっと好きなのに‼毎日毎日挨拶したりおしゃれして気を引こうと頑張ってるのになんで何もしていない根暗な奴なんか……先輩は好きになるの⁉あんた……先輩のこと振るんでしょ⁉それなのになんで紛らわしいことばかりするの⁉」


「私は……、何もしていない……」


とぼけないで、と女の子は私の腕を引っ叩いた。

ぴかっと空が光りゴロゴロと唸りをあげる。


「──あんたなんか居なければ私が……先輩の1番だったはずなのにっっ‼」


「……‼」


『アンタガイナケレバワタシハアイツノイチバンニナレテイタノニ……ッッ‼』


体がびくんと跳ね、熱を帯びる。

その目の奥があの日のとかぶる。


「……違うよ。私が……くんを振ってもあなたは……くんの1番になれない」


あの日の答えを、教えてくれた言葉を私は再回答した。


「なっ、何を知ったことを……っっ‼」


「私が居なくても、あなたがどんなに魅力的で可愛くても。……くんがあなたのことを好きになることは分からないし私には関係ないことだよ」


今度こそ、私は間違わない。

塞ぎ込まない。

教えてくれたから私は答えが分かる。

1歩、強くなれる。


「私は、間違ってなんかない……‼」


真っ直ぐ、その淀んだ瞳を貫いた。


「……っ」

四十五 けじめ→←四十三 移り



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剣城京菜(プロフ) - なつさん» あっ、本当ですね…。直しました、教えてくださってありがとうございますっ! (2019年12月4日 18時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - 三十三なんですが、(名前)が(あ名前)になってます、、、 (2019年12月4日 16時) (レス) id: ebf4a6617f (このIDを非表示/違反報告)
恋兎姫 - 剣城京菜さん» お返事ありがとうございます…! 剣城京菜さんの作品妖怪ウォッチのとイナイレの両方好きでした!また新作がでるんですね!楽しみに待ってます! (2019年11月12日 0時) (レス) id: 2d1633e5ef (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - 恋兎姫さん» ありがとうございます!!既に完結までかいて投稿するだけなので、少ししたら平行して新作を出していこうと思っています。良ければそちらも読んでいただけたら嬉しいです!! (2019年11月10日 17時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
恋兎姫 - この小説のシリーズ大好きです! もうすぐおわっちゃうんですね…凄く悲しいけど作者様のペースで頑張って完結させて下さい!応援しています! (2019年11月8日 22時) (レス) id: 2d1633e5ef (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2019年10月20日 11時

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