四十 追う者 ページ40
「返事するから……その、……くんが部活終わったら少しだけ時間欲しい」
すると……くんははっと息を呑み、口をきゅっとつぐんだ。
「分かった。だけど片付けもあるから部活終わるの遅くなるけどいいか?」
「……どこかで時間潰すから」
……くんの提案により落ち合う場所を屋上にして私たちは別れた。
その時まで時間は少ししかないが、それまでは帰る手立てを探すことにした。
校舎に戻るとあちこちから部活をする声、音が聞こえた。
「……こんな場所には手がかりはないと思うが」
「そう、だけど……」
宛なく歩いていると背後から誰かの気配を感じた。
「……誰かついてきてる」
私は振り向かず平然を装って立ち止まった。
オロチさんは後ろを振り返って女子生徒1人が物陰から私を睨んでいると言った。
「嫌な予感がする」
「……そこの階段で巻け」
オロチさんは私の腕を引っ張って走り出した。
階段横の空間に私の押し込んだ。
バタバタと足音が近づいて階段を登ったり降りたりしたあと、遠ざかっていった。
ここは掃除が行き届いてなく埃っぽい。
くしゃみをしているとオロチさんは私を引っ張り出した。
「……今の子1年生かな」
顔までは見えなかったものの、スカートのプリーツがあまりにも綺麗だったことから1年生ではないかと予想できた。
1年生なんて顔を覚えているはずもなく特定の誰かは分からない。
「……あれ、Aこんなとこで何してるの」
見上げると晴愛さんが階段の隙間から顔を出していた。
機嫌良さそうに階段を駆け下りると私を見て疑うような顔をした。
「A、埃じゃん」
「それだと私が埃みたいな言い方だよ」
晴愛さんは私の制服をぱんぱんと叩いて埃を落とした。
「用事は?」
「それまで時間潰してる」
晴愛さんはまた興味無さげに返事をして首にかけていたカメラをこちらへ向けた。
「……今日は写真部なんだ。今から外に行くんだけどAも着いてきてよ」
返事を聞く間もなく晴愛さんは私の腕を引いて階段を駆け下りた。
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剣城京菜(プロフ) - なつさん» あっ、本当ですね…。直しました、教えてくださってありがとうございますっ! (2019年12月4日 18時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - 三十三なんですが、(名前)が(あ名前)になってます、、、 (2019年12月4日 16時) (レス) id: ebf4a6617f (このIDを非表示/違反報告)
恋兎姫 - 剣城京菜さん» お返事ありがとうございます…! 剣城京菜さんの作品妖怪ウォッチのとイナイレの両方好きでした!また新作がでるんですね!楽しみに待ってます! (2019年11月12日 0時) (レス) id: 2d1633e5ef (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - 恋兎姫さん» ありがとうございます!!既に完結までかいて投稿するだけなので、少ししたら平行して新作を出していこうと思っています。良ければそちらも読んでいただけたら嬉しいです!! (2019年11月10日 17時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
恋兎姫 - この小説のシリーズ大好きです! もうすぐおわっちゃうんですね…凄く悲しいけど作者様のペースで頑張って完結させて下さい!応援しています! (2019年11月8日 22時) (レス) id: 2d1633e5ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2019年10月20日 11時