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十 お泊り日前日 ページ10

それからお泊り日前日のこと。

桜と信とオロチさんとで遊んでいると晴愛さんが尋ねてきた。


「A、老いらんのとこいかないと……」


「あっ、そうだった……。オロチさん。用事があるから少しだけでかけてもいい……?」


するとオロチは困った顔をした。


「これから土蜘蛛殿の所へ行くと言ったはずだが……」


「あっ、そっか……」


子どもの前では話せないし留守番もさせることはできない。


「じゃあ俺が2人と留守番するよ‼」


「えっ、でも晴愛さんも一緒に行くと……」


晴愛さんはいいから、と言って私とオロチさんを家から追い出した。


「じゃ、じゃあお願いね。いい子にしてるんだよ」


「はぁーい」


玄関を閉められると壁越しに3人の楽しそうな声が聞こえた。


「……晴愛なら心配はいらないだろう。Aはどこまで行く」


土蜘蛛さんの屋敷だと答えると、オロチさんは都合がいいと歩き出した。

道中微妙な距離感で歩いて、会話もぎこちなく交わしているとあっと言う間に屋敷まで着いてしまった。

ここからは用事が異なるので用事が終わったら屋敷前で落ち合うことにして、オロチさんと別れた。

先週女子会をした部屋に着き、恐る恐る襖を叩くと奥からどうぞと声が返ってきた。

襖を開けるとそこには老いらんさんが怪しい笑みを浮かべて座っていた。

横には何やら木箱が置かれている。


「さ、どうぞ座ってくんなまし」


前に座ると老いらんさんは私に当日の予定を尋ねた。


「朝に子どもを預けて次の日の夕方まで
です。その間何をするかは何も話して居なくて……」


「そう。夜まではわっちの教える範囲内じゃありんせん、これと言って助言はしんせん。けれど2人きりでロマンチックなデートをするのをおすすめしんす。本題はここから。ぬしの旦那としたのはいつでありんすか。どんなことをしたのか、簡単に教えてくんなまし」


そんなことつらつらと言えるはずがなく、俯いて熱くむず痒い気持ちを押さえようとテーブルの下で太ももをつねった。


「別に恥ずかしがることではありんせん。旦那の為にも言うべきだと思いんす」


「……ぁ、あの、その……」


私は腹をくくり、数年前のことを思い出しながら話した。

十一 デートのお誘い→←九 小さくなったもの



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剣城京菜(プロフ) - yukiさん» ありがとうございます!!完結編を投稿したので、よろしくお願いします!! (2019年10月20日 11時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
yuki - 番外編もすごく素敵でした!!続編楽しみにしてます。頑張ってください! (2019年10月14日 23時) (レス) id: f5a4951e98 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - れるれる(現.本垢)さん» 初めまして!!そう言っていただけてとても嬉しいです!!新作も今書いているので、次回作も読んでくださると嬉しいです!! (2019年9月25日 19時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
れるれる(現.本垢)(プロフ) - 初めまして。この作品、すごく好きです。妖ウォを卒業しても剣城さんの作品だけはずっと見てるんです(笑)これからも更新頑張って下さい。 (2019年9月24日 21時) (レス) id: bb493c8f2f (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - なつさん» 期間が空いてしまったので勘違いさせてしまいました……!!ゆっくりでも完結までは投稿するので安心してください!! (2019年9月24日 18時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2019年9月23日 0時

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