さくらの営み ─温かい場所─【オロチ】

五 不満 ページ5

「ここでのことは内緒にしてくれるから。皆詳しいんだよー」


だから大丈夫だと晴愛さんはあいた私の腕を握って揺すった。


「オロチとのことだからまた喧嘩でもしたの〜？」


「いえ……」


皆は顔を見合わせ、うーんと唸った。


「その逆なんだって。……いたたっ」


しびれを切らした晴愛さんが口を滑らした。

私はテーブルの下で晴愛さんの太ももを強くつねった。


「は、激しすぎる、とか……⁉」


「ぬしの旦那さまも中々やりんす」


「ち、違……っっ違います……っっ」


間違いを訂正する為に、私は正直に打ち明けた。

だけど話し終わって返ってきたのは間違いではない、だった。


「欲求不満なのね。でも何年も居て求められるのは悪いことではないわ〜」


「夫婦の時間が取れないのが問題だよね。子どもを1日預けたりするのはどうかな」


子どもたちに悪いと返すと皆は私のことを真面目だと口にした。


「殿方はこちから留めておかないとすぐ何処かへ行ってしまいんす」


「オロチさんはそんなことしません……。約束してくれたもの」


「でも放っておくのも悪いわ〜。Aちゃんは子どもたちに悪いと言うけれどそろそろ親元を離れる時間を作る必要があるんじゃないかしら〜」


確かに早い段階から少しずつ離れて過ごすことに慣れさせておくべきかも知れない。


「私が人で幼稚園生だった頃、行事で幼稚園にお泊りがありまして。やはりそろそろ2人の為にも経験させたほうがいいのでしょうか……」


「そうだよ、そうしたらオロチと2人きりの時間もできるし丁度いいよね。桜と信は俺が責任持って預かるよ。だからオロチとデートしてきなよ」

六 強い子→←四 女子会

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す