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十一 デートのお誘い ページ11

「なるほど、それは旦那も溜まるのも無理はありんせん」


「子どもが2人もいると中々2人きりになることもできなくて……」


老いらんさんは私には攻めが足りないと言った。

受け身ばかりで優しくされ過ぎて結局は私だけのものだったと。


「そ、それって……行為はオロチさんにとっては満足するものではなかったと……」


「そう。多少なりとも痛みは必要でありんすから。こちから仕掛けて刺激を与えなければ飽きられて他の女の所へ行ってしまいんす」


だけど心配することはないと老いらんさんは私に行為に持ち込む方法と、して喜ぶことを教えてくれた。


「殿方というのは単純でありんす。最後にこれをあげんしょう」


老いらんさんは木箱を私の前に出した。

蓋を開けると透明の小さな瓶が入っていた。


「これを寝る前に2人で飲めばもっと熱い一夜を越すことになるでありんしょう」


「あ、熱い……?」


それを受け取ると老いらんさんは用があるからと部屋を出ていってしまった。

瓶の中には透明の液体が入っている。

なんとなく以前私が飲まされたものと同じものではないかと察した。


「A」


「んぁ……⁉」


突然肩を叩かれ、瓶を落としそうになってしまった。

振り返るとオロチさんが不思議そうな顔をして私を見下ろしていた。


「な、ななななんでもありません‼」


咄嗟に瓶を隠し立ち上がった。


「……そうか。Aが1人でいるのが見えたから声をかけたんだが」


「よ、用は終わった……。オロチさんは?」


オロチさんも用は終わったそうなので、家に帰ることにした。

帰路に着くとオロチさんはどこか行きたいところはないかと尋ねた。


「よく考えたら2人でまともにでかけたことがなかった。だから明日にでもどこか行こうかと思ったが、どうだ」


「──それってデートって思っていいの」


オロチさんはそういうことになる、と恥ずかしそうに言った。


「嬉しい……。どこがいいかな、オロチさんとならどこでも幸せ」


少し空いた肩を寄せるとまだ空いた隙間をオロチさんは肩をぴたりとくっつけた。


「私も同じ気持ちだ」

十二 変わらない場所→←十 お泊り日前日



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剣城京菜(プロフ) - yukiさん» ありがとうございます!!完結編を投稿したので、よろしくお願いします!! (2019年10月20日 11時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
yuki - 番外編もすごく素敵でした!!続編楽しみにしてます。頑張ってください! (2019年10月14日 23時) (レス) id: f5a4951e98 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - れるれる(現.本垢)さん» 初めまして!!そう言っていただけてとても嬉しいです!!新作も今書いているので、次回作も読んでくださると嬉しいです!! (2019年9月25日 19時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
れるれる(現.本垢)(プロフ) - 初めまして。この作品、すごく好きです。妖ウォを卒業しても剣城さんの作品だけはずっと見てるんです(笑)これからも更新頑張って下さい。 (2019年9月24日 21時) (レス) id: bb493c8f2f (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - なつさん» 期間が空いてしまったので勘違いさせてしまいました……!!ゆっくりでも完結までは投稿するので安心してください!! (2019年9月24日 18時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2019年9月23日 0時

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