七 不貞腐れ ページ7
「喉乾いたね」
私は信を抱き上げたまま、オロチさんと桜の間に座った。
オロチさんから信専用のマグカップを受け取り、信に渡した。
信は両手で掴むとちびちびと飲み始めた。
「ねぇねぇ」
晴愛さんは私の後ろにまわって耳打ちをした。
「やっぱりオロチ変わんなくない?」
「……私がどうした」
オロチさんは顔をしかめた。
「あの、オロチさん。話したいからいい?」
私は信を晴愛さんに任せ、オロチさんと一緒に外に出た。
「特に深刻な話とかではないのだけれど……。そろそろよぅちゃんとまぁくんにお泊りを経験させてあげたほうがいいのかなって……」
「……早いものだな」
オロチさんは少し寂しそうな顔をした。
「だがいつまでも子どものままにしてはおけない。いずれ私たちも子離れしなくてはいけなくなるだろう」
「そう、だよね……。賛成してくれて良かった。じゃあ戻ろうか」
扉に手をかけようとしたらその手を後ろからオロチさんが掴んだ。
「──A」
私の耳元で吐息混じりに吐き出される。
「えっ、ま、待って……?」
振り返ろうとしたら扉の奥から弱々しくどんどんと叩く音がした。
オロチさんは手をさっと離し、その手をもう片方の手で掴んだ。
私は逃げるようにして扉を開けた。
「……‼まぁくん」
扉を開けると信がむすっとした顔をして立っていた。
きっと今の話を聞いていたのだろう。
信は着物の裾をぎゅっと握ってずっと私の顔を見つめている。
「まぁくん」
触れようとした手から逃げるように信は部屋の隅に走って膝を抱えた。
視線は私から外れることはない。
「ねぇ、まぁくん。大切なお話。だから聞いて」
私から話しかけるとまぁくんは顔を背けてしまうのに、こちらがよそ見をしていると視線を戻してくる。
特に今日は頑固だと私は晴愛さんと桜の所へ戻った。
その後オロチさんが信をなだめようとしていたが、首を振るだけで何も変わらなかった。
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剣城京菜(プロフ) - yukiさん» ありがとうございます!!完結編を投稿したので、よろしくお願いします!! (2019年10月20日 11時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
yuki - 番外編もすごく素敵でした!!続編楽しみにしてます。頑張ってください! (2019年10月14日 23時) (レス) id: f5a4951e98 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - れるれる(現.本垢)さん» 初めまして!!そう言っていただけてとても嬉しいです!!新作も今書いているので、次回作も読んでくださると嬉しいです!! (2019年9月25日 19時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
れるれる(現.本垢)(プロフ) - 初めまして。この作品、すごく好きです。妖ウォを卒業しても剣城さんの作品だけはずっと見てるんです(笑)これからも更新頑張って下さい。 (2019年9月24日 21時) (レス) id: bb493c8f2f (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - なつさん» 期間が空いてしまったので勘違いさせてしまいました……!!ゆっくりでも完結までは投稿するので安心してください!! (2019年9月24日 18時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2019年9月23日 0時