さくらの営み ─誓い─【オロチ】 (ページ44)

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四十四客人ページ44

「ささ、主役は真ん中に〜」

えんらえんらさんに背中を押され、中央の席にオロチさんと座った。

「あの、今からだと……よぅちゃんとまぁくんを寝させないと……」

「あーっ」

桜はオロチさんの手から離れると私の膝に乗り、信の腕を引っ張った。

いつもなら信は嫌がるのに今日はすんなり私から離れてしまった。

人見知りも全くしていないようで、多数に抱き挙げられても平気そうな顔をしていた。

「少し寂しい……」

賑やかな中でぽつりと零すとオロチさんは私の手をテーブルの下で指を絡め強く握った。

「信は一歩大人になったということだ。信はAだけを絶対的に信用して、大切な母親を守る為にずっと見守ってきた。Aが信用する者なら信用するに値するのだろう。……離れてしまうのは少し寂しいが」

「ほら、オロチさんもだ」

顔を見合わせると互いに笑いあった。

桜と信は賑やかさに興奮してしまい、しばらくは寝てくれなさそうだ。

少しして多くの料理が運び込まれた。

お酒も少しだけ飲んで皆で笑っていると、外が騒がしくなってきた。

「客人だ」

顔を赤くした土蜘蛛さんが立ち上がりふすまを開けた。

「A、おめでとう」

そこには晴愛さんをはじめ、エンマ大王さま、ぬらりひょんさんたち、今まで出会ってきた妖怪たちがいた。

「百鬼姫さままで……」

「勘違いするな。偶然通りかかっただけじゃ」

側にいたかげ老師さんが私の為に急いできたのだと言って百鬼姫さまは静かに怒りを向けていた。

「ありがとう、百鬼姫さま」

皆随分と酔いが回ったところで桜と信は力尽きて眠ってしまった。

あまりの騒ぎに主役が居なくたってバレそうもない。

私とオロチさんは2人を別室に連れて行き、部屋出たところの縁側へ腰をおろした。