さくらの営み ─誓い─【オロチ】 (ページ4)

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四報告ページ4

産まれてくる子は男の子か女の子か、名前はどうしようかとその晩は2人でいろんなことを話し合った。

話しているうちに段々と眠くなって気づいて起きた時にはもう昼になるところだった。

「A、今から子の報告に行くがどうする」

「私も行きます。……行く」

まだ無くていいと言ったのにオロチさんはどうしてもと言うので、補助をもらって立ち上がった。

段差があるたびにオロチさんは私に気遣いばかりをする。

「ねぇ、オロチさん。心配し過ぎだから……。そんなに気にするなら手繋いで。そしたら私が万が一躓いてもすぐに分かるでしょ」

「……致し方ない」

オロチさんはそう言って私の手を強く握った。

人目のある場所ではこんなこと中々してくれないのでたまには悪くないなと思った。

まず報告するのはこの屋敷の主、エンマ大王さま。

黒魔を倒して以来、玉座の間に居ることがめっきり減った。

どうやらぬらりひょんさんに内緒で人間界にでかけているようだった。

今日はもう屋敷に居るようで、偶然出会った猫きよさんと犬まろさんとともにエンマ大王さまのいる玉座の間へ向かった。

「失礼します」

玉座の間へ入るとそこにはエンマ大王さまとぬらりひょんさんが居た。

「何か用か？」

「あー、えっと」

どちらが言うか顔を見合わせているとエンマ大王から話を切り出した。

「2人の問題だから俺が口出しするようなことじゃないがいつになったら結婚するんだ？何か困っていることがあるなら力になるが……」

「……今日は報告にきました」

オロチさんが先に口を開く。

ぬらりひょんさんは無愛想な顔で、エンマ大王さまと猫きよさんと犬まろさんは期待の眼差しをこちらに向ける。

「Aが私との子を身籠りました」

途端3人は口をぱかっと開ける。

「澄ました顔してやることはやってるニャ……」

「猫きよ、声が大きいぞ」

猫きよさんと犬まろさんはこそこそと話し、エンマ大王さまは口を開けたまま椅子の背にもたれかかった。

流石のぬらりひょんさんも驚いたのか咳払いをして誤魔化していた。

「ま、まぁ。愛しあえば順番なんて大した問題じゃない。この先どうするつもりだ？あの部屋じゃもう狭いだろ」

「子が産まれる前に住む場所は見つけて引っ越すつもりです」

まだ用事があるからと私とオロチさんは玉座の間を出た。