二十二 変なスイッチ ページ22
「……一緒にお風呂に入る約束」
ぼそっと呟くとオロチさんの顔はみるみるうちに赤くなっていった。
「あ、あれは……無効だ……」
オロチさんはようやく気づいたようで声を震わせて首を横に振った。
互いの裸なんて何度も見ているのに今だに初めてのような反応するのが少しおかしかった。
「……とりあえずお風呂入らなきゃいけないからお湯入れてくるね」
立ち上がろうとしたオロチさんが私の肩を押さえ、すたすたとお風呂場のある廊下へ消えてしまった。
それからオロチさんが戻ってきたのは10数分のことだった。
湯を張り終えるまでオロチさんはずっとお風呂場にこもっていたようだった。
私の手を握る手は湿っていた。
すっかりいつもの澄まし顔に戻っているがどこか違和感がある。
私の手を強く握るとオロチさんは脱衣所に連れ込んだ。
扉を閉め鍵をかけると私を扉横の壁の隅に追いやって片足と片手を壁につく。
空いた手でワンピースのボタンを器用に4つ程外した。
袖の方を掴んで下に引っ張るとぱさりと足元に落ちる。
急に恥ずかしくなってオロチさんの首元に顔を埋めるとオロチさんは遠慮なしに背に手を伸ばし、ホックを外した。
胸を押さえしゃがむと意地悪な瞳が私を見下ろした。
「わ、私自分で脱ぐから……だから、その……」
逃れようと言い訳をしてもオロチさんはやめる気はなく、誘ったのは私だと言ってパンツに手をかけ素早く引き下ろした。
「えっち……オロチさんのえっち」
胸元をぽかぽか殴ってもオロチさんは唇を舌で舐めて残りの身につけていたもの全てを簡単に引き剥がしてしまった。
早く入ろうと急かしたがオロチさんは私の手を掴んで自身の胸元に置き、
「……私がまだだ」
と言った。
どうやら私は変なスイッチを押してしまったようだった……。
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剣城京菜(プロフ) - なつさん» ありがとうございます!!まだ番外編が2つ更新していくので良かったら読んでくださると嬉しいです!! (2019年9月22日 15時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - 完結おめでとうございます!! (2019年9月14日 12時) (レス) id: ebf4a6617f (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - 惠里子さん» ありがとうございます……!! (2019年8月17日 23時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
惠里子(プロフ) - 挿し絵の赤ちゃんめちゃくちゃ可愛いです……! (2019年8月14日 12時) (レス) id: 810773929b (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - yukiさん» ありがとうございます!!頑張ります!! (2019年8月5日 18時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2019年7月20日 16時