さくらの営み ─誓い─【オロチ】 (ページ14)

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十四対等ページ14

「あの世界を作り出すにはAの力がいると思うがそれは常に力を放出しなければならないのか」

「うん……？あそこは眠った時だけしか見たことないから起きている今は……良く分からない」

なんとかやってみようかと手に意識を集中させてみた。

すると誰かが部屋の扉をノックした。

「……晴愛さんですね」

昼になっても起きてこないと必ず晴愛さんが生存確認しにやって来る。

扉の方へ行くとオロチさんが私の肩を抱いて部屋の扉を少し開けた。

「A生きてる？」

「生きてるよ」

扉の隙間から顔を出すと晴愛さんはこっくりと頷いた。

「……ぁ、そうだ晴愛さん。元桜神のことで少しお話聞かせてもらいたいんだけど……」

「……いいよ」

あまり気は乗っていないようだが、私の為ならと晴愛さんは承諾してくれた。

部屋に入れようと思ったらオロチさんが少し待って欲しいと扉を閉めた。

「人前に出るような格好ではない」

オロチさんはそう言って私を抱き上げてベッドに座らせた。

確かに起きたままで着物は着崩れているし髪も少し乱れている。

だけど晴愛さんは気にしないので私も気にはしていなかった。

「こんな姿は私以外に見せるな」

オロチさんはいつ持ってきたのか、昨日買ったワンピースをベッドに放り投げた。

「……まだ早いのでは」

そう言ったものの、オロチさんは聞き入れず着物をずりおろした。

ふと手が止まり、私の左肩に触れた。

そこにはもう傷跡なんてなかった。

オロチさんに手伝って貰い、ワンピースを着ると今度は私の後ろにまわり髪を梳かし始めた。

手早く髪を三つ編みに結うと晴愛さんを呼びに扉を開けた。

「あ、A可愛い」

晴愛さんはオロチさんに目配せをして私の前に座った。

「……いつも思うけど、ここに座ってもいいんだよ」

私は晴愛さんの腕を引っ張って隣に座らせた。

「友だちは対等……だから。えっと、その……」

続きの言葉をうまく言い表せないでいると晴愛さんははにかんで

「皆が惚れちゃうの良くわかるなぁ……」

と呟いた。

「あっ、そういえばこの前オロチが酔っ払ってAの好きなとこ溢してたよ。聞きたい？」

「ぇ……教えて……」

完全に話が逸れてしまうとオロチさんは私と晴愛さんの肩を揺らした。

「そんな話今するべきではない。第一貴様は何故知っている」