さくらの営み ─誓い─【オロチ】 (ページ2)

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二こないものページ2

「……あ、赤ちゃん⁉」

声をひっくり返して驚く晴愛さんの口を叩くように手で塞いだ。

「まだそうと決まったわけじゃないから……っっ‼」

「で、でも心当たりあるからそういうこと言っているんだよね……？」

まだ決まった訳じゃないとぶつぶつと自身に言い聞かせた。

落ち着いてから私は何故そう結論が出たかという過程を説明した。

晴愛さんの言う心当たりというのが原因であることは間違いない。

それと今日までの間が3ヶ月程。

「つ、つきのものが……来なくて……」

「……ああ、さっき言っていたことはそういうことね。でも心当たりがあるなら間違いないんじゃない」

おめでとう、と晴愛さんは手を叩く。

私はその手を掴み首を小刻みに激しく横に振った。

「ま、間違いかもしれない……。調子悪くて止まってるだけなのかも……」

「……ねぇ、そんなにも認めたくないの？」

晴愛さんはムスッとした顔でこちらを見上げた。

「だ、だだ、だって私まだ19歳だよ……⁉学生で妊娠は相当や、やばい……っっ‼」

「Aがこんな取り乱してるの始めてみた……でも妖怪になったらそんなの関係ないよ？それに人のままであってもあと1週間もしないで20歳になるじゃん。セーフだよ、セーフ」

晴愛さんは呑気に私のお腹を撫でている。

「の、呑気過ぎる……」

慌てても周りのペースと差ができるばかり。

「……Aはさ、オロチとの子どもは欲しくなかった？」

「そんなことは……ない、よ。ただ、まだ先の話だと思っていて……。まだ結婚もしていないとなるといろいろ大変だし……。そ、それに男の人は女の人が子どもを産むと女として見られなくなるってドラマで観たことが……」

そう言うと晴愛さんはわざとらしくため息をついた。

「オロチは10数年ずっとAのこと好きだったんだよね。今更子ども産んだくらいで好きじゃなくなる訳じゃないよ……。心配しなくてもオロチはAが思っている以上にAを溺愛しているんだからさ。もっと信じてあげなよ」

「そう……ですかね。で、でも不確かなままでは言いたくないから……まだ秘密にしてて」

不確かなままが嫌なら今すぐ病気に行けばいいのにとぼやかれた。

もう目で見えるほど結果は分かりきっているのに、結果を知るのが怖くて尻込みをする。

結局晴愛さんに無理矢理連れて行かれることとなった。