二百八十六 禁書 ページ36
目を開けてこんなに最悪な気分は初めてだった。
ベッドから出てぼんやりしていると誰かが部屋の扉をノックした。
「……なんでしょう」
出た声は自分でも驚く程低かった。
部屋の前に居たのはオロチさんだった。
「昨日より良くないようだな」
"はい"の返事さえも億劫で黙っているとオロチさんはため息をつき、今日もゆっくりしていろと言って去っていった。
とは言うものの、やらないといけないことは私に関してのことだから当の本人がいないとなってはおかしな話だ。
私は部屋に戻って身なりを整えてからオロチさんのあとを追いかけた。
書斎に入ったところは見ていないのでそれ以外のところだ。
晴愛さんのところにいるのではないかと向かったが、こちらへ歩いてくる晴愛さんが１人であったことからこの予想は直ぐに崩れた。
「……あんまり良くない？」
「……はい。あの、昨日の話をしたいのですがオロチさんは？」
晴愛さんが言うにはオロチさんは自分なりに探してみると言って、エンマ大王さまに禁書を貸してもらいに行ったらしい。
「禁書って……そんな簡単に借りれるものではないと思うのですが」
「……だから交渉しにいくんじゃない。Aがそんな顔をしているからオロチも必死になるんだよ」
私は悪く気を使わせてしまったと自分の頬をつねった。
晴愛さんはそれを不細工だと言う。
「早くいい方法が見つかるといいね。オロチのところに行ってみよう」
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剣城京菜(プロフ) - くーさん» ありがとうございます！！頑張ります！！ (2019年4月26日 22時) (
レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
くー(プロフ) - 一話から一気に見ました！オロチさんにドキドキしますー！これからも頑張ってください！！ (2019年4月19日 22時) (レス) id: 4b69e817ff (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - あーさん» ありがとうございます！！ (2019年4月7日 16時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
あー - 何これ最高。更新頑張って下さい。 (2019年3月29日 20時) (レス) id: d8fdca1aee (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - yukiさん» ありがとうございます！！ (2019年2月21日 17時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：剣城京菜 | 作成日時：2019年2月12日 18時
