二百六十三 なくしもの ページ13
とある朝、部屋の前で晴愛さんが何度も何度も扉をノックした。
「A、開けてってば‼大変なんだよーっっ 」
鍵をかけた部屋で私はベッドに潜り込んで聞こえないふりをしていた。
別に寒いから起きたくない訳ではない。
どうしても顔を合わせたくなかった。
特にオロチさんには。
というものの、私はオロチさんに対してやましい気持ちがあったからだった。
ことの始まりは早朝、起きてからのこと。
身支度をしているといつもあるものがそこには無かった。
1番最後に私はオロチさんがプレゼントしてくれたピアスをつける。
だけどその場所には何もなかった。
棚の後ろもベッドの下も良く探したがどこにも無かった。
昨晩そこに置いたのはしっかり覚えていた。
それなのに見つからない。
ノック音も鳴り止まずついに私はベッドから出て部屋の扉を開けた。
「わっ‼」
晴愛さんを引き入れ再び部屋に鍵をした。
「……何かあった？」
「ど、どうしよう……オロチさんから貰ったピアスがどこにも無いんです……」
晴愛さんは一切驚くことなく、子どもをなだめるように頭を撫でると
「だから大変なんだよ。オロチも部屋から出てこなくてね、それがピアスが無くなったからなんだって。でもおかしいのはそれだけじゃないんだよ。妖魔界のあらゆるものが無くなってるみたい。多分無くしたのはAのせいでもオロチのせいでもないよ。だっていきなりおかしいし」
と言った。
晴愛さんに無理矢理連れられ書斎前まで来るとわざと大きな声で叫んだ。
「ねぇー、オロチ‼ピアス無くしたことAに言っちゃった」
そう言うと突然扉が勢い良く開いた。
晴愛さんはさっと避けたものの、私は避けきれず肩を思い切りぶつけた。
「……すまない」
うずくまる私にオロチさんはそれだけ言って晴愛さんに何故ピアスをばらしたのかと問い詰めた。
晴愛さんが全て説明したものの、それまで放置されたのは納得いかない。
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剣城京菜(プロフ) - くーさん» ありがとうございます！！頑張ります！！ (2019年4月26日 22時) (
レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
くー(プロフ) - 一話から一気に見ました！オロチさんにドキドキしますー！これからも頑張ってください！！ (2019年4月19日 22時) (レス) id: 4b69e817ff (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - あーさん» ありがとうございます！！ (2019年4月7日 16時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
あー - 何これ最高。更新頑張って下さい。 (2019年3月29日 20時) (レス) id: d8fdca1aee (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - yukiさん» ありがとうございます！！ (2019年2月21日 17時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：剣城京菜 | 作成日時：2019年2月12日 18時
