二百三十四 声 ページ34
目を覚ますと私は部屋のベッドで横になっていた。
「……A」
オロチさんは私の顔を覗き込み小さくため息をつく。
「おはようございます」
体を起こして少しぼんやりとする。
「あのあとどうなったんですか」
「真実と意志をしめしたそれ相応の結果だ。滝雨はしばらく屋敷にて保護することになった。責任は全てAが持て。傷つけたのは滝雨だけではない。認めた者は一部だが今後次第では普通に過ごせるだろう」
オロチさんは不機嫌な顔をしたまま私の頭を撫でた。
「あのまま私たちの中だけで終わらせては他の妖怪から反感を買ってしまうだろう」
「……ということはわざわざ見世物にしたのは無駄を省くため、と?何故私に言ってくれないのですか……」
オロチさんは小馬鹿したように鼻で笑い、あとでエンマ大王さまのところに行くように言われた。
「……ああ、それと牢獄に入れる前に懐からこんなものが落ちたのだが」
そう言ってオロチさんは小さな袋を取り出した。
それは昨晩買ったオロチさんへのプレゼントだった。
「あ、はい……ありがとうございます」
受け取ると私はそそくさと自分の懐にしまった。
沈黙に耐えきれずエンマ大王さまのところに行こうと提案した。
廊下に出て歩いていると向こうから滝雨さんとぬらりひょんさんが来ているのが見えた。
「こんばんは、姫」
「こんばんは。どこに行っていたのですか」
そう尋ねるとぬらりひょんさんが敵の情報を聴取していたと言った。
「わかる限りのことは全部言ったよ。でも俺も分からないことが多いから役にたてたかわからないけれど……」
「少しの情報でも充分ですよ。これからどちらへ?」
「監視付きのお風呂。それから寝るって」
滝雨さんは以前と変わって声が明るくなったような気がする。
おやすみなさいと挨拶をして私たちは別れた。
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剣城京菜(プロフ) - aruya100さん» ありがとうございます!!頑張ります!! (2019年2月8日 9時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
aruya100(プロフ) - いつも見させていただいてます。更新頑張ってください!期待してます! (2019年2月4日 23時) (レス) id: b60ccdc28b (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - yukiさん» ありがとうございます!!頑張ります!! (2019年1月30日 19時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
yuki - 作品楽しませていただいてます。続き頑張って下さい! (2019年1月30日 8時) (レス) id: 01053ecf80 (このIDを非表示/違反報告)
紅桜(プロフ) - 剣城京菜さん» 頑張ります...! (2019年1月23日 19時) (レス) id: 84fb339dd8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2019年1月21日 21時