百六十四 感じ混ざり合い ページ14
どうしたってこの現状から抜け出す策はない。
それは私が悪いのが確実であったからだ。
ぎらつく眼光は緩みなく私を刺す。
「……何か思わないか」
もう私にはオロチさんの綺麗な金色の瞳しか見えなかった。
呼吸が浅くなり、顔が熱くなっていく。
圧に押され、仰け反るもすぐ後ろは壁。
頭を軽くぶってしまった。
「ぁ……ち、かい………です……」
やっと出た声はあまりにも震えていて、ちゃんと言葉として聞き取れたか分からなかった。
ぎらついた眼光は不意に緩みを見せる。
掴んだ手が震え熱くなり、無意識に目がおりていく。
腰に手が回され、吐息を間近で感じ合い混じり合う。
唇と唇が触れ合いそうになったその時、
「オロチ‼ここにいたのか……って」
扉が突然開いた。
声からするにエンマ大王さまだった。
「あー、邪魔して悪いな。また後で来てくれ」
エンマ大王さまはそれ以上何も言わず、扉を閉めてばたばたと足音をたてて去っていった。
肩を掴んだ手が緩まり、ぱっと顔を離される。
オロチさんは何か言いたそうに口をぱくぱくとさせたが、きゅっと唇を瞑ると手の甲で顔を隠し後ずさりをした。
髪の隙間から見えた白い肌は茹でだこ以上に、踵を返した瞬間に見えた耳の端までまっかっかだった。
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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2018年12月10日 18時