検索窓
今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:34,158 hit

百五十 もう一度 ページ50

目の前で地面に倒れ込み、動かなくなったオロチさんを私は呆然と見つめていた。


「くそ……っ」


こんなこと望んでいなかった。

ただ、私は誰かを傷つけたくなかった。

消えてしまいたかった。

たったそれだけのことなのに。


「ねぇ……どうして?これはふりじゃないの?」


髪を耳にかけ、その白い顔を覗き込む。

もう、動かない。

口も聞いてくれない。


「私さえいなければ……」


「A‼そんなことはオロチは一切望んでなんか居ないっ‼オロチはAに嘘をついてきたことを悔やんでいた‼そしてAが自分の正体に気づいたとき、Aを守れなかったと‼Aを守るのは自分では無かったのだとオロチは自身の気持ちを抑えAから離れたんだ‼Aを想う気持ちに偽りは一切ない‼今もその意志があったことを目にしただろっ⁉」


ヒカリオロチさんは耳が避けてしまいそうな程の大声を出した。


「オロチさん……」


震える指先で頬をなぞる。

ひんやりして、柔らかい。


「オロチさん……オロチさん……っっ」


もし、私に信じる勇気があったのなら。

もし、素直に認められていたのなら。

もし、私に乗り越える力があったのなら。

もし、私に力があったのなら。


「こんなことにはならなかったのに……っっ‼」


欲しい。

認める勇気を。

自分を、気持ちを受け止める素直さを。

乗り越える力を。


そしてもう一度──……っっ‼

この小説の続きへ→←百四十九 貫く槍



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (37 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
30人がお気に入り
設定タグ:妖怪ウォッチ , オロチ , 剣城京菜   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

紅桜(プロフ) - 楽しみにしてます♪頑張ってください! (2018年12月11日 20時) (レス) id: 84fb339dd8 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - 紅桜さん» ありがとうございます!今作は大変長編となっていますので、今後も楽しんでくれると嬉しいです(^^♪ (2018年12月11日 18時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
紅桜(プロフ) - まさかの展開で驚きました...!とてもおもしろかったです!続きがきになります(≧∇≦) (2018年12月10日 21時) (レス) id: 84fb339dd8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:剣城京菜 | 作成日時:2018年10月14日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。