百四十四 1人の名 ページ44
目を覚まして最初に見たのは私を見上げる無数の黒魔だった。
腕と足を木の板にくくりつけ、磔にされていた。
くくった縄は普通の縄ではなく、黒く淀んで抵抗すると更に締まっていった。
ここはどこかの室内のようで空は見えなかった。
「……‼」
上を見上げると大きな赤い目がぎょろりと私を見つめていた。
『コンドコソ……カクジツニシトメル』
その大きな赤い目のものであろう大きな手が私に伸びる。
すると私を見上げていた黒魔が数体、奇声をあげ向かいの壁に叩きつけられた。
「Aっっ‼」
「派手に暴れてやるぜっっ」
そこにヒカリオロチさんとオロチさんが現れ、入り口近くの黒魔から次々となぎ倒していった。
「2人に構うな‼姫を殺れ‼」
この建物内に居た黒魔が一斉にこちらを振り向いた。
あっという間に私は黒魔に飲み込まれていった。
暗闇の中、私はある1人の名を心の中に浮かばせていた。
「たす……けて──……」
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紅桜(プロフ) - 楽しみにしてます♪頑張ってください! (2018年12月11日 20時) (レス) id: 84fb339dd8 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - 紅桜さん» ありがとうございます!今作は大変長編となっていますので、今後も楽しんでくれると嬉しいです(^^♪ (2018年12月11日 18時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
紅桜(プロフ) - まさかの展開で驚きました...!とてもおもしろかったです!続きがきになります(≧∇≦) (2018年12月10日 21時) (レス) id: 84fb339dd8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2018年10月14日 12時