百四十一 告白 ページ41
「待てオロチ‼何故お前は毎日武道場へ通うんだ⁉Aとの約束を今も守っているんだろ……⁉」
するとオロチさんは足を止め、
「……ただの口約束だ。そんな約束とうに捨てた。正直迷惑だ」
と言った。
「オロチ‼またお前はそうやって……っっ」
ヒカリオロチさんが声を荒げる。
今にも掴みかかりそうなヒカリオロチさんの腕を引っ張る。
「……もう、いいです。私だって捨てたのだから、何も言えません……」
するりと腕が落ち、顔もあげられないまま私はその場から逃げ出した。
「──……」
外へ続く扉を開け飛び出すと、ぴたりと足は止まり空を見上げる。
滲んだ空は皮肉にも綺麗な色をしていた。
「A……」
肩に優しく触れられ、振り返るとヒカリオロチさんは触れた肩から腕へ撫で、手首を掴み引っ張った。
軽く体がぶつかる。
跳ねて離れた体をもう一度ヒカリオロチさんは私を抱き寄せくっつけた。
私の首に顔を埋め、何度も何度も私の頭を撫でた。
「好きだ、A……。愛している。オレならAをこんな悲しい思いなんてさせない。絶対幸せにする。だから、オレの恋人になってくれないか……？」
「──……」
屋敷の扉が開く。
金色の瞳は濁っていく。
無意識に抱き返した手は震えていた。
「わ、たし──……」
すると突然綺麗な色をしていた空が渦巻き、黒く淀んでいった。
「──‼」
東の空から何かがやってくる。
「敵か⁉」
ヒカリオロチさんは体を引き離し、私を背に隠すと東の空を睨んだ。
「やぁ、こんにちは。桜風A」
さらさらのボブが風に揺れる。
黒い着物に濃い紫の帯を身につけ、身長はヒカリオロチさんたちより高い。
声変わりが始まったくらいの少しかすれた少年の声は女の子のようにも思える。
仮に彼として、彼の顔は黒く塗りつぶされ焦点の合わない赤い目が笑った。
彼は屋敷の屋根にふらりと降り立ち、片腕をピンと伸ばし私を指さした。
「桜風A。もう一度君を殺しに来てあげたよ」
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紅桜(プロフ) - 楽しみにしてます♪頑張ってください！ (2018年12月11日 20時) (
レス) id: 84fb339dd8 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - 紅桜さん» ありがとうございます！今作は大変長編となっていますので、今後も楽しんでくれると嬉しいです(^^♪ (2018年12月11日 18時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
紅桜(プロフ) - まさかの展開で驚きました．．．！とてもおもしろかったです！続きがきになります(≧∇≦) (2018年12月10日 21時) (レス) id: 84fb339dd8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：剣城京菜 | 作成日時：2018年10月14日 12時
