百三十六 役 ページ36
「3ヶ月も部屋に籠もっていてあれですけど、私あの部屋に居て良かったのでしょうか。私が死んだと分かった以上意味なんてないかと……」
私が部屋に籠もってからエンマ大王さまを見ることはなかった。
「……ああ、それは問題ない！何故ならオレから直接許しを得たからだっっ‼」
「そう、でしたか。……ありがとうございます」
ヒカリオロチさんはにこっと笑うと揃った足並みが少しだけ崩れた。
「……オレはAの役にたっているだろうか？」
「役……？嫌ならやめても……」
するとヒカリオロチさんは立ち止まり、首を横に振った。
「そういう訳では無いんだ。オレはAの近くに居たいだけで嫌だとか思ったことは一度もない」
離れた手は追わずだらんと垂れ下がる。
「……オレでは不足だったか？」
「ごめんなさい……」
してくれることが本当か嘘か分からなかった。
ここにいていいのか分からない。
離れてしまうのが怖い。
どうしたらいいのか分からない。
そう、今まで何度も考えた。
答えは未だにでない。
「……そんな顔をさせるつもりはない。Aが望むのならオレはいつだって身を引く。ただ、少しでもAが許してくれるのならオレはAの為に側に居たい……」
「私、私は──……」
丁度その時、近くから爆発音が聞こえ木々がばさばさと音をたてた。
「……武道場の方からだな」
「……それって屋敷の裏にあると言っていたものですか？」
いつだったかヒカリオロチさんは私に屋敷の裏にある武道場の話をしていたことを思い出した。
黒魔が現れてから、さらなる力をつけるためエンマ大王さまが作ったという。
そこでは毎日妖怪たちが己を鍛えるために、日々修行に明け暮れているそうだ。
「また誰か壊したな……」
やれやれと言わんばかりにヒカリオロチさんは爆発音の聞こえた方へ歩き出した。
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紅桜(プロフ) - 楽しみにしてます♪頑張ってください！ (2018年12月11日 20時) (
レス) id: 84fb339dd8 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - 紅桜さん» ありがとうございます！今作は大変長編となっていますので、今後も楽しんでくれると嬉しいです(^^♪ (2018年12月11日 18時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
紅桜(プロフ) - まさかの展開で驚きました．．．！とてもおもしろかったです！続きがきになります(≧∇≦) (2018年12月10日 21時) (レス) id: 84fb339dd8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：剣城京菜 | 作成日時：2018年10月14日 12時
