百三十二 生きている ページ32
これから私はどうするべきなのか。
完全孤独の私は頼るものもなくただのうのうと存在する。
本当の無はどうしたら辿り着ける？
考えても方法が見つかるわけが無かった。
深く、長くため息をつくと突然部屋の扉が大きな音をたて開いた。
「待たせたなっ‼」
「オ、……ヒカリオロチさん」
正体はヒカリオロチさんであった。
ヒカリオロチさんは呼吸を乱しながら、嬉しそうに笑った。
そして持っていた皿を私に差し出す。
そこには何度も見たおにぎりが1つ。
「腹が空いているのだろうっっ‼腹が空いていては前向きにはなれないっっ」
「……死んでしまったら何も食べられません。お腹もすきません……」
顔を背けるとお腹がきゅうっと情けない音をたてた。
「……妖怪は基本死ぬことはない。だが、腹は減る‼怪我もするし、怪我をすれば血だって流すっっ。人間と同じだっっ‼ただ人間より特別な力を持っているだけでオレたちは人間と同じように生きているんだっ‼だから意地など張らず、腹が減った時は何か食べるといいっっ‼」
ヒカリオロチさんはおにぎりを掴むと私の口元に寄せた。
半ば強引に口に入れられる。
「……普通のおにぎりです」
「普通のおにぎりではないっ‼オレが握った特別だっっ」
あまりにも自信満々に言うので少しおかしかった。
「……やっと笑ってくれたな」
ヒカリオロチさんは私の顔を見ると優しく笑った。
「さぁ、残りも食べるといい」
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紅桜(プロフ) - 楽しみにしてます♪頑張ってください！ (2018年12月11日 20時) (
レス) id: 84fb339dd8 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - 紅桜さん» ありがとうございます！今作は大変長編となっていますので、今後も楽しんでくれると嬉しいです(^^♪ (2018年12月11日 18時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
紅桜(プロフ) - まさかの展開で驚きました．．．！とてもおもしろかったです！続きがきになります(≧∇≦) (2018年12月10日 21時) (レス) id: 84fb339dd8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：剣城京菜 | 作成日時：2018年10月14日 12時
