百二十四 滑稽 ページ24
家に上がるとまだ静かなままだった。
不気味なほど足が重い。
いや、それは拒んでいるからだ。
無意識に私は立ち止まる。
奥の部屋からすすり泣く声が聞こえる。
こんな悲しい声はあまり聞きたくない。
また喧嘩でもしてしまったのだろうか？
そっと歩みを進め、奥の部屋の前にたどり着く。
泣く声は襖の奥から聞こえていた。
この部屋は仏間で、父方の祖母の仏壇があるはずだ。
音を出さぬよう、襖を開ける。
1番初めに目に入ったのは泣き崩れている母と、泣きながら母の体を支える父だった。
「どうして2人とも泣いているの……？」
私は2人に少しだけ近づく。
声も聞こえないのはわかっていた。
すぐ近くに寄っても気づかれはしない。
「どうしてAがこんな目に合わなければいけないのよ……‼」
「……私ここにいるよ、気づいてよ。ねぇってば……」
2人の肩に触れようとしても、手は体をすり抜けてしまう。
こんなにも悲しい思いをさせ、目の前で泣かれてしまうと凄く辛い。
早く、帰りたいよ。
そう思い、もう一度元に戻る方法を探すことを誓う。
だけど不意に顔をあげたとき、今まで全ての私が滑稽であったのだと真実は告げていた。
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紅桜(プロフ) - 楽しみにしてます♪頑張ってください！ (2018年12月11日 20時) (
レス) id: 84fb339dd8 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - 紅桜さん» ありがとうございます！今作は大変長編となっていますので、今後も楽しんでくれると嬉しいです(^^♪ (2018年12月11日 18時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
紅桜(プロフ) - まさかの展開で驚きました．．．！とてもおもしろかったです！続きがきになります(≧∇≦) (2018年12月10日 21時) (レス) id: 84fb339dd8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：剣城京菜 | 作成日時：2018年10月14日 12時
