百二十三 ふり ページ23
「妖怪ならここにいるじゃないですかー‼この有能妖怪執事である……」
天野君はウィスパーさんの口を鷲掴みにして、塞いだ。
「無能だから‼む、の、う‼気にしなくていいからね‼」
「……はぁ」
「でも、何も覚えてないの……？」
首を傾げると天野君は何故か悲しい顔をした。
「ここに戻って来る前のこと、何か覚えてないの？」
「気づいたら妖魔界にいました。しばらくは妖魔界にいて、1時間程前に帰ってきたのですが……」
天野君は沈んだ表情を隠すように顔をそらした。
「……妖魔界のことは詳しくないから分からないけれど、でも今のAさんは俺の……いや。皆の知っているAさんじゃないよ。本当は気づいているんじゃない……？……一度家に帰った方がいいよ」
天野君はそれだけ言って、逃げるように階段を駆け下りていった。
「家に帰っても……見えなきゃ意味が……」
皆の知っている私ではないのは、妖魔界にいた影響だ。
きっと、……絶対そうである。
「うちの近所で……だなんて物騒よねぇ……」
「犯人はまだ捕まってないのでしょう？捕まるまでは子どもの送り迎えしなきゃ……」
「……、……可愛そうよね」
立ち止まって駄弁る迷惑なおばさんたちの横を横切って私は再び、家に向かい歩き出した。
家に近づくに連れ、お香の匂いが漂い始めた。
どこかの家で線香をあげたのだろう。
学校の帰りによくこのあたりを通るとこの匂いがしていたのを思い出した。
「……」
線香の香りと出処が自分の家であると気づいたのは、門の前に着いてからだった。
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紅桜(プロフ) - 楽しみにしてます♪頑張ってください！ (2018年12月11日 20時) (
レス) id: 84fb339dd8 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - 紅桜さん» ありがとうございます！今作は大変長編となっていますので、今後も楽しんでくれると嬉しいです(^^♪ (2018年12月11日 18時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
紅桜(プロフ) - まさかの展開で驚きました．．．！とてもおもしろかったです！続きがきになります(≧∇≦) (2018年12月10日 21時) (レス) id: 84fb339dd8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：剣城京菜 | 作成日時：2018年10月14日 12時
