四十五 飴 ページ45
「早く離れろ」
そう言われ、私は慌てて体を離した。
予想通りオロチさんは不貞腐れたような顔をしていた。
「どうしてそう捻くれているんだ」
「ひ、捻くれてなんかいません……‼」
オロチさんが口を開くと、その後ろにジト目で睨みつける百鬼姫さまがいた。
オロチさんが振り向くと百鬼姫さまはわざとらしく顔を背け、私の顔を睨みつけるように覗き込んだ。
「白髪女は私が連れてきたのじゃ。こいつの意思などない。筋違いもいいとこじゃ」
百鬼姫さまはくるりと背を向けるとオロチさんを通り越し、姿を消してしまった。
庇ってくれたのだろうか。
「……経緯を話せ」
私は事の経緯を離した。
するとオロチさんは少し呆れたような顔をした。
「……くだらん。早く戻るぞ」
オロチさんはすたすたと先を歩き、私は3メートルほど距離を開け、あとをついていく。
私が走り回ったせいで部屋のあちこちの襖が開きっぱなしになっている。
部屋の中をちらちらと見ていると、百鬼姫さまの姿があった。
不意に足が止まる。
「……百鬼姫さま」
気づくと私は百鬼姫さまの名を口にしていた。
「なんだ死人娘」
相変わらず蔑称で呼ぶのは変わらない。
私は襖を開け、中に入った。
「助けてくれてありがとうございました……」
背を向ける百鬼姫さまに私はぺこりと頭を下げた。
「なにを勘違いしている。ただの気まぐれじゃ。礼を言っても何も出んぞ」
「……出すのは私からです」
私は百鬼姫さまの前に回り込み、手の中に飴を1つ落とした。
「人間界から持ってくるのはできないけど、せめてこれは受け取って欲しいです」
「……。仕方ない、受け取ってやろう」
百鬼姫さまは手のひらの飴をぎゅっと握ると、少しだけ表情が柔らかくなったような気がした。
「……ところでお主、何故黒魔に襲われている」
「それは……」
首を横に振ると背後に気配を感じ取った。
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剣城京菜(プロフ) - あやべえさん» ありがとうございます！頑張ります！！ (2018年8月25日 20時) (
レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
あやべえ(プロフ) - オロチかっこいいですぅ……これからも頑張ってください！応援しています！ (2018年8月25日 9時) (レス) id: af2133f4e4 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - kkkkkkkkkさん» ありがとうございます！頑張ります！！ (2018年8月7日 20時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
kkkkkkkkk - 頑張ってください！！応援しています！！ (2018年8月7日 6時) (レス) id: c230d910a2 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - 奈乃さん» 頑張ります！！アドバイスもありがとうございます！！ (2018年7月25日 11時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：剣城京菜 | 作成日時：2018年7月20日 19時
