四十二 地獄 ページ42
「人間界へ行き、取ってきてほしいものがあるのじゃ。それを持ってこれば命は保証してやる」
「……人間界へ行く道が塞がっているのは知らないのですか」
百鬼姫さまは無愛想な顔をムッとさせた。
「そんなことは承知じゃ。黒魔軍が現れたせいで人間界に行く道を全て塞がれ妖怪、または結界がはられて行き来することは出来ない。だが人間が人間界に戻るのは例外。……自然なことじゃ。なら人間に頼めば怪しまれずにすむ」
「ですが、仮に人間界に戻ったとしても私は妖魔界には戻りません。人間は人間界に住む。……これが自然なことでしょう」
それは事実であり捻じ曲げることは出来ない。
相手が口をつぐんで黙り込むのを上位に立ったような気持ちでいた。
「姫さま‼奴らが来ましたぞ‼」
小さな妖怪が大慌てで部屋に転がり込んできた。
「なんじゃ騒がしい」
さっきとは打って変わり、真剣な表情になる。
すっと腰を上げ、部屋を出ていった。
「姫様が相手ならここにいれば安全ですぞ。あ、申し遅れました。姫様の御付きをしているかげ老師と申します」
「桜風A……です」
かげ老師さんはほっとため息をつくと部屋の扉を全て隙間なく閉めた。
「"桜風"とはまたなんとも雅な名前でしょう」
「……雅」
それが雅であるかは謎だ。
確かに綺麗なのかも知れないけれど。
だけどどんなに綺麗でもいつかは消えてしまう。
「あの、奴らってもしかして黒魔のこと、ですか」
「その通り」
かげ老師さんが言うにはこの地獄は妖魔界の一部ではなく、妖魔界寄りの場所だと言う。
人間界から妖魔界へ、そして妖魔界からこの地獄へ辿り着くのだそうだ。
黒魔が来たのは妖魔界と同じく18年前。
こちらの道も閉ざそうとしたが、百鬼姫さまの意向により、妖魔界と地獄の道は開けたままなのだという。
幸いここにくる黒魔の数は限りなく少ない。
少数であれば百鬼姫さまは簡単に追っ払えるのだそうだ。
「今までずっとそうしてきたのです。老体でなければ、私めが姫様をお守りするのですが……なんせここは地獄。物好きでなければ務まりません」
かげ老師さんが重くため息をついたその時だった。
「おい白髪女クソ眉毛‼」
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剣城京菜(プロフ) - あやべえさん» ありがとうございます!頑張ります!! (2018年8月25日 20時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
あやべえ(プロフ) - オロチかっこいいですぅ……これからも頑張ってください!応援しています! (2018年8月25日 9時) (レス) id: af2133f4e4 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - kkkkkkkkkさん» ありがとうございます!頑張ります!! (2018年8月7日 20時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
kkkkkkkkk - 頑張ってください!!応援しています!! (2018年8月7日 6時) (レス) id: c230d910a2 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - 奈乃さん» 頑張ります!!アドバイスもありがとうございます!! (2018年7月25日 11時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2018年7月20日 19時