三十四 夜中の恐ろしいお化け ページ34
「──……」
ふと目を覚まし、まわりを見回す。
怖いくらいに静かで、不安になった。
随分と寝ていたようで、少しだけ体がだるい。
体を起こしカーテンの隙間から外を覗き込む。
星1つ見えない真っ暗な夜空だった。
ベッドから出て制服の乱れを手で払い直す。
「……しわになっちゃった」
大きく息をつき、部屋の扉まで歩いた。
扉を少しだけ開けて、左右を確認する。
壁に一定の感覚で明かりがついているものの、それはあまりにも弱々しく頼りない。
例えるなら真夜中の誰もいない学校のような怖さだ。
音をたてぬよう、そっと扉を閉め私は先の見えない廊下を壁伝いに歩き出した。
壁に手を付き、手探りで先へ進む。
僅かな明かりがあるから手探りで進む必要はないのだが、なんとなく手放しで歩くよりなにか手が触れていたほうが不安が軽減されるような気がした。
少し進むと手にドアノブが当たった。
すると突然、扉が勢いよく開いた。
「……何をしている」
部屋から出てきたのはオロチさんだった。
「その……さっき起きたところで……何をしているかと言われたら私も分からないというか……」
何故部屋を出て歩いていたのか、それは私自身にもよくわからなかった。
そんな曖昧な答えの返事を待っていると、遠くの方から足音が聞こえてきた。
コツコツと、段々と近づいてくる。
「……中に入れ」
オロチさんは私の腕を引っ張ると扉をさっと閉めた。
「この屋敷ではあまり迂闊にうろつかないほうがいい」
「……お化けかなにかなんですか」
足音はこの部屋の前を通りすぎていく。
オロチさんは扉を数センチだけ開け、私に覗くよう手招きをする。
オロチさんが扉を押さえ、私は腕の下から覗き込んだ。
この部屋から10メートル離れた先に、ぬらりひょんさんの後ろ姿が見えた。
「……見つかれば追いかけられ、掴まれば延々と説教だ」
「それは……怖いですね……」
苦笑いをしていると首根っこを掴まれ、扉を閉められた。
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剣城京菜(プロフ) - あやべえさん» ありがとうございます！頑張ります！！ (2018年8月25日 20時) (
レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
あやべえ(プロフ) - オロチかっこいいですぅ……これからも頑張ってください！応援しています！ (2018年8月25日 9時) (レス) id: af2133f4e4 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - kkkkkkkkkさん» ありがとうございます！頑張ります！！ (2018年8月7日 20時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
kkkkkkkkk - 頑張ってください！！応援しています！！ (2018年8月7日 6時) (レス) id: c230d910a2 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - 奈乃さん» 頑張ります！！アドバイスもありがとうございます！！ (2018年7月25日 11時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：剣城京菜 | 作成日時：2018年7月20日 19時
