二十 私を呼ぶ声 ページ20
祭り太鼓の音が聞こえる。
「Aちゃん、早くいこーよ」
「うん‼」
同じくらいの小さな手に手を重ね、下駄をカランコロンと鳴らしながら人の中へ入っていく。
私何していたんだっけ。
「私Aちゃんと夏祭り行くの楽しみにしてたんだ」
あ、そうだ……。
私、友だちと夏祭りに行く約束していたんだった。
祭り提灯がぼんやりと赤く、行く道を照らす。
「あれ……?」
気づくと友だちも、他の人たちもいなかった。
夜の闇に紛れ私は自分がどこにいるのか分からなくなってしまった。
「──A」
遠く、遠くに誰かが私を呼んでいる。
「──……綺麗」
何もない暗闇に私は綺麗だと呟いた。
その瞬間、薄ピンクの柔らかな光が風とともに泳いできた。
「A──……」
優しい声、懐かしい声。
頬にそっと手が触れる。
エメラルドの瞳の中に私が写る。
あなたは、誰だっけ?
「A──……」
何故だかこの声を聞くと心が優しくなれた。
「約束、だよ」
55人がお気に入り
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
剣城京菜(プロフ) - あやべえさん» ありがとうございます!頑張ります!! (2018年8月25日 20時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
あやべえ(プロフ) - オロチかっこいいですぅ……これからも頑張ってください!応援しています! (2018年8月25日 9時) (レス) id: af2133f4e4 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - kkkkkkkkkさん» ありがとうございます!頑張ります!! (2018年8月7日 20時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
kkkkkkkkk - 頑張ってください!!応援しています!! (2018年8月7日 6時) (レス) id: c230d910a2 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - 奈乃さん» 頑張ります!!アドバイスもありがとうございます!! (2018年7月25日 11時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:剣城京菜 | 作成日時:2018年7月20日 19時