八十五輪 ページ35
しばらくしてオロチが戻ってくるとえんらえんらは妖魔界へ帰ってしまった。
「……どうした」
「えっあ、その……なんでもない……」
あんな話をしたものだからついオロチの顔を凝視してしまっていた。
やっぱり不思議だ。
ちくちくでもやもやのこれはなんだろう。
「……私もそろそろ妖魔界へ戻ることにしよう」
「……明日も来る?」
窓から出ようとするオロチの近くへ駆け寄ると、オロチは私の頭をぐりぐりと撫で回した。
そのせいで髪はくしゃくしゃになってしまった。
「……そうだな、昼過ぎには来るようにしよう」
「そう……良かった」
オロチはふっと笑いかけるとおおもり山の方へ飛んでいった。
「……良かった、か。うーん、良かった……?」
それが適切な言葉だったのかよく分からなくなってきた。
でもそれは自然に出てきた言葉で裏や意味がある訳じゃない。
多分これは……本音?
「……良かったんだ」
少しだけ、自分が分かったような気がした。
ちくちくでもやもやの糸が少しだけ解けていく。
本当に不思議だ。
なぜか無性に嬉しい。
「……好き、ね」
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剣城京菜(プロフ) - まぃさん» ありがとうございます頑張りますっっ!! (2018年2月26日 18時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
まぃ(プロフ) - かっこいいですオロチ!! 夢主さんも可愛いし これからも頑張ってください! (2018年2月25日 21時) (レス) id: fa92bd9a65 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - 奈乃さん» ありがとうございます,頑張ります!! (2018年2月12日 11時) (レス) id: 8e91a3c5b3 (このIDを非表示/違反報告)
奈乃 - おもしろいです! 更新頑張ってください! (2018年2月11日 17時) (レス) id: e19d1310b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2018年2月11日 0時