六十七輪 ページ17
部屋に戻ると私は一旦オロチを部屋から追い出して服を着替えた。
どうやらこの糸は物理的には存在していないらしく，服に透け通った。
オロチを再び部屋に招くと私は祝言についてきいた。
「......結婚？でも結婚したって上手くいかない場合もあるけど。結婚した途端駄目になるときもある......」
「......例えが間違えていた。私の言っていたことは忘れてくれ」
オロチはふいと背を向け，窓の外を見た。
「......兎にも角にもこのままではなにも解決しない。なにか情報を得る必要があるな」
オロチは妖魔界に調べたいことがあると部屋から出て行こうとしたが，私と目が合うと一人にすべきではないと足を止めた。
朝ごはんを済ませ，部屋に戻り妖怪ウォッチとメダルを持ち外に出た。
道中，道行く人々の赤い糸は真っ直ぐに互いの指と結ばれていた。
多少絡まりがあるものの私たちほどではない。
「......いちいち立ち止まっていては妖魔界に着くまでに日が暮れてしまうぞ」
オロチは私を乱雑に持ち上げると空へ飛びだした。
「妖魔界に行けばなにか分かるの」
「......あの方ならなにか知っているかもしれない」
あっという間に妖魔界へ続く入口へ辿りついた。
妖魔界に着くとこの先，目的地まで距離があるとまた抱えられた。
それから少しして，前方に大きな屋敷が見えた。
例えるなら大河ドラマの武将がいた城のような。
門の前でなく，中庭に下されるとオロチは迷うことなく縁側へあがった。
「......どうした」
「ぁ，ううん。なんも......」
襖の前に跪くとオロチは
「土蜘蛛殿，お時間頂いてもよろしいでしょうか」
と言った。
だけど返事はなかった。
「親方様なら今出掛けてるわよ〜」
振り返るとそこにはえんらえんらがいた。
「いつ戻ってくるかわかるか」
「......さぁ，でもすぐ戻ってくると言っていたわ〜。多分またお散歩に行かれているんじゃないかしら〜。戻ってくるまで待っているといいわ〜」
オロチは頷くと奥の部屋へ行ってしまった。
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剣城京菜(プロフ) - まぃさん» ありがとうございます頑張りますっっ！！ (2018年2月26日 18時) (
レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
まぃ(プロフ) - かっこいいですオロチ！！ 夢主さんも可愛いし これからも頑張ってください！ (2018年2月25日 21時) (レス) id: fa92bd9a65 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - 奈乃さん» ありがとうございます，頑張ります！！ (2018年2月12日 11時) (レス) id: 8e91a3c5b3 (このIDを非表示/違反報告)
奈乃 - おもしろいです！ 更新頑張ってください！ (2018年2月11日 17時) (レス) id: e19d1310b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：剣城京菜 | 作成日時：2018年2月11日 0時
