六十二輪 ページ12
2人はメダルを私にくれるとまだ他を歩いてみてくると行ってしまった。
そのメダルを眺めているとオロチが
「それでいい」
といった。
私は大事に抱きしめ黙って頷いた。
言葉は交わさず,私たちは距離を詰め座りなおした。
「浴衣着たの久しぶり,ちっちゃいころは浴衣が好きでママに着せてもらってた。でもまともに夏祭りに行ったことなくて......共働きみたいなものだから連れて行ってくれなかった。ほかの子は友だち同士で行ったりしてたのに私は許して貰えなかった。外に出るにも許してくれなくてずっと窮屈だった......出れても家の周りだけ。私自身も外が怖くなちゃってずっとずーっと窮屈」
だからあの家から出たとき,私は恐怖と不安感にずっと憑りつかれてきた。
だけどそれは無知から来るものだった。
大事にされてきたんだと無知な大人は口を揃えて言う。
「......何も知らないくせに」
箱入り娘なんかじゃない。
これはただの束縛だ......。
「......まだ間に合う。今からでも行きたいときに行きたい場所へいくといい。......もちろん限度はあるがもう縛るものは居ないんだ。Aの思うように生きるといい」
オロチはそう言って私の肩を抱いた。
同じくらいの体の大きさなのに大きく感じて,温かい。
「......オロチは大人みたいなこと言わないんだ。皆言うよ,親のいない子どもの方が不幸だとか大事にされてるだけだとか......我儘とか」
「そんなもの戯言だ。勝手に言わせておけ......Aが嫌と思うのならそういうことだ。他人基準で測ることもないだろう」
オロチはいつも冷静だ。
言っていることが正しいのかはわからない。
......いや,これも自分で決めるべきなのかもしれない。
「......私自身大人になることができなかったかも知れないが」
ぽつりとオロチはそんな言葉を零した。
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剣城京菜(プロフ) - まぃさん» ありがとうございます頑張りますっっ!! (2018年2月26日 18時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
まぃ(プロフ) - かっこいいですオロチ!! 夢主さんも可愛いし これからも頑張ってください! (2018年2月25日 21時) (レス) id: fa92bd9a65 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - 奈乃さん» ありがとうございます,頑張ります!! (2018年2月12日 11時) (レス) id: 8e91a3c5b3 (このIDを非表示/違反報告)
奈乃 - おもしろいです! 更新頑張ってください! (2018年2月11日 17時) (レス) id: e19d1310b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2018年2月11日 0時