いつも君は96 ページ46
次の日のこと、放課後になると彼女に連れられ、ラブレターの差出人を探すべく片っ端から聞いて回ることになった。
「なんで僕まで……」
「人は多い方が効率がいい‼でしょっ」
彼女はそう言って楽しそうに隣のクラスに入っていった。
「あはは、どうしよ……」
委員長は困ったように辺りを見回した。
私は彼女を待つ間、廊下の窓を開けグラウンドを見下ろした。
「雛代さんは探さないの？」
返事のかわりに私はため息を返した。
「別に乗り気だった訳じゃない。ただ……」
ただ、こんな手紙１つで興味が持てて行動を起こせる彼女が羨ましかっただけ。
近くにいれば私も同じようになれるのではないかと淡い期待を持ってみただけだ。
「委員長はどうするの。……手伝うの」
「ぁ、え。う、うーん……？その、手紙って今持ってる？」
私は持っていた手紙を委員長に差し出した。
丁度その時、彼女が戻ってきた。
「あー、２人してサボってる」
ぷくっと頬を膨らまし、彼女は私の左腕に抱きついた。
「差出人は見つからなかったよ」
「……そう」
残念がってため息をついた彼女ははっと何か思いついた素振りを見せると、委員長の手から手紙を抜き取った。
「あっ‼」
彼女は委員長に背を向け、封を切った。
「だ、駄目だよっっ‼」
委員長は慌ててその手紙を奪おうとするが、彼女は素早く避け手紙の内容を口にした。
「えーと、なになに……？雛代Aさん、８年前からずっと君のことが好きでした……今でもこの想いに変わりはありません。僕と付き合って下さい……ってこれA宛てだよ」
「……私」
彼女は私の元に駆け寄るとその手紙を渡した。
その手紙には彼女の言うとおり、私の名前が書かれていた。
だけど差出人の名前はどこにもなかった。
「結局差出人は探すことになるのかぁ……」
「……ううん、探さなくていい」
すると彼女は私の顔を覗き込んだ。
「……私には、まだ分からないから。誰かをそういう特別に想うことの好きとか、付き合うとか……。こんな私と付き合っててもそのうち飽きられちゃうだけだよ。……私、もう帰るね」
「そんなの、駄目だよ……」
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剣城京菜(プロフ) - 美空さん» ありがとうございます！！頑張りますっ！！ (2017年12月28日 0時) (
レス) id: 269c9ce767 (このIDを非表示/違反報告)
美空 - 続きが気になります。ゆっくりでかまいませんので更新頑張ってください。楽しみにしてます！ (2017年12月27日 21時) (レス) id: 611dba761a (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - 奈乃さん» ありがとうございます頑張りますっ！ (2017年12月4日 20時) (レス) id: 269c9ce767 (このIDを非表示/違反報告)
奈乃 - 更新頑張ってくださいね！ (2017年12月4日 18時) (レス) id: e19d1310b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：剣城京菜 | 作成日時：2017年12月4日 0時
