いつも君は91 ページ41
うんちく魔と名乗ったその妖怪はくどくどと文句をたれる。
「だいたいこれはうんちくの実だクマ‼」
文句とうんちくをたれ終えたのに何分経っただろう。
「きっ、君の言うことはもう分かったからさ……次のヒント、教えてくれないかな……」
委員長は疲れ切った声でそう言った。
「仕方ないクマ。最後のヒントをこの僕が……」
すると突然図書室の扉が開いた。
「クマーーッ‼」
コマさんとコマさんによく似た茶色の妖怪がこちらへ走ってきた。
「お騒がせしたずら」
ぺこりとお辞儀をすると２人はうんちく魔を連れて何処かへ消えてしまった。
「……」
取り残された私たちはただ呆然としていた。
「……あれ、なんか落ちてるね」
委員長は扉の方へ歩き、しゃがみ込んだ。
後ろから覗き込むと、小さめの少し錆びた鍵があった。
「これ……屋上って書いてあるね。落としていったのかな」
私と委員長は屋上へ向かうべく図書室を出た。
委員長の数歩後ろをついていく。
記憶の中の誰かが委員長だと言う確証はないが、もしかするとそうなのではないかと確定しようとしていた。
だけど疑いがないわけではない。
記憶の誰かはうまく言い表せられるわけではないが、思い出せる分には彼は……優しかった。
いつも隣にいる、そんな記憶。
屋上へ続く階段を登っていると、屋上から複数の話し声が聞こえた。
頭がぼやっとして、踏み出した足が階段からずるりと落ちる。
「あっ、大丈夫……?」
委員長は階段から落ちそうになった私の腕を掴むと、ぐいと引き寄せた。
委員長の顔が誰かと合わさる。
「やっぱりちょっと疲れちゃったよね、あと少しだから頑張ろ」
「……うん」
屋上の鍵をまわすと風でふわりと扉が開いた。
外は真っ暗だった。
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剣城京菜(プロフ) - 美空さん» ありがとうございます！！頑張りますっ！！ (2017年12月28日 0時) (
レス) id: 269c9ce767 (このIDを非表示/違反報告)
美空 - 続きが気になります。ゆっくりでかまいませんので更新頑張ってください。楽しみにしてます！ (2017年12月27日 21時) (レス) id: 611dba761a (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - 奈乃さん» ありがとうございます頑張りますっ！ (2017年12月4日 20時) (レス) id: 269c9ce767 (このIDを非表示/違反報告)
奈乃 - 更新頑張ってくださいね！ (2017年12月4日 18時) (レス) id: e19d1310b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：剣城京菜 | 作成日時：2017年12月4日 0時
