いつも君は84 ページ34
さくら第一小学校、それは私が転校する前に通っていた場所だった。
最も、記憶のない場所だ。
暗闇で見えるそれを前にして私は息を深く吸い込んだ。
「……幾つか気配を感じ取れるな」
「気配……」
私にはなにも感じられなかった。
だがオロチが言うには間違いないのだろう。
「……ところでどうやって入るつもりだ」
「知らない」
真夜中の学校へ入る方法など知る由もない。
とりあえず校門を飛び越え下駄箱の扉に来た。
扉を開けようとしてもやばり鍵がかかっていた。
辺りをきょろきょろと見回しているとオロチが
上を指差した。
「あの窓なら鍵が開いていたぞ」
指差したのは２階の窓で、鍵が開いているかは目視できなかった。
「A」
オロチは私を抱えるとふわりと飛び上がった。
窓を開けると中へ放り込まれた。
「痛い」
立ち上がって埃を払うと頭の奥がつんとした。
入ったのは教室の窓からで、机や椅子がきちんとしまわれていた。
廊下に出てクラス札を確認すると５年２組と記されていた。
確か私は……このクラスだったような。
もう一度、教室に目を向けたその時だった。
「……誰かいる」
遠くからぱたぱたと走る音が聞こえた。
その音はこちらへ近づいているような気がした。
すると突然背後から口を押さえられ、教室の中へ押し込まれた。
扉をしめそれを背にずるずると身をかがまされると足音は扉越しに聞こえるようになった。
足音が遠くなると私は口を押さえていたオロチの腕をつねり、ひっぺがした。
「……もう居ないよ」
扉のガラス部分から廊下を覗き、誰もいないことを確認するとそっと扉を開け廊下に出た。
「今の……見回りの先生」
そう聞くとオロチは首を縦に振ることも横に振ることもせず、足音が消えていった方をじっと睨みつけていた。
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剣城京菜(プロフ) - 美空さん» ありがとうございます！！頑張りますっ！！ (2017年12月28日 0時) (
レス) id: 269c9ce767 (このIDを非表示/違反報告)
美空 - 続きが気になります。ゆっくりでかまいませんので更新頑張ってください。楽しみにしてます！ (2017年12月27日 21時) (レス) id: 611dba761a (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - 奈乃さん» ありがとうございます頑張りますっ！ (2017年12月4日 20時) (レス) id: 269c9ce767 (このIDを非表示/違反報告)
奈乃 - 更新頑張ってくださいね！ (2017年12月4日 18時) (レス) id: e19d1310b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：剣城京菜 | 作成日時：2017年12月4日 0時
