いつも君は70 ページ20
「こんな怪我したらまたオロチ怒るわよ〜」
「……オロチ？」
その妖怪ははっとして手で口をおさえた。
「え、ええ……私オロチの知り合いで本当はAちゃんのこと知ってたのよ〜」
「……そう」
その妖怪は自らをえんらえんらと名乗った。
えんらえんらはオロチの名を出したことを後悔しているようだった。
「それに多分こっちに来たのはすぐよね〜……だとすればもう6時間くらい経ってるわ〜」
「……６時間」
そんな長いこと私は気を失っていたのだろうか。
時間の感覚が鈍感になってしまっているようだ。
だとすれば今は12時過ぎくらいだろう。
「オロチ相当怒るわね〜……」
「……オロチそんな怒らない。あってもちょっと言われるくらい」
そう言うとえんらえんらは長く息を吐き、頭を抱えた。
「私知らないわよ〜……」
えんらえんらは私の袖を掴み、ちょこんと引っ張った。
「私が家まで送ってあげるから早くいきましょう〜」
えんらえんらに連れられ、外へ出た。
私の腕を引っ張る手は急いでるように思えた。
「……」
壁にぶつかったように、足を止める。
見上げると古風な看板に甘味処と記されていた。
「ここは妖魔界で１番人気があるのよ〜」
えんらえんらはそう教えてくれた。
「……そう」
再び歩き出そうと足を踏み出した途端、足に何か柔らかいものが当たり跳ねた。
「ずら……」
足元には白色の犬のような妖怪が転がっていた。
「……‼」
その丸っこい瞳で見上げられた瞬間、頭の芯がずきんと痛んだ。
「ん……うう……」
力が抜け、しゃがみこんで頭を抱えた。
見たことのない光景があやふやに次々と流れ込んでくる。
「Aちゃん‼」
肩を揺さぶられ、我に返った。
すると頭の痛みは徐々に消えていった。
「だ、大丈夫ずらか……？オラのせいで痛くなっちゃったずら……」
白色の妖怪はふわふわした手で私の頭を撫でた。
「……大丈夫、君のせいじゃない」
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剣城京菜(プロフ) - 美空さん» ありがとうございます！！頑張りますっ！！ (2017年12月28日 0時) (
レス) id: 269c9ce767 (このIDを非表示/違反報告)
美空 - 続きが気になります。ゆっくりでかまいませんので更新頑張ってください。楽しみにしてます！ (2017年12月27日 21時) (レス) id: 611dba761a (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - 奈乃さん» ありがとうございます頑張りますっ！ (2017年12月4日 20時) (レス) id: 269c9ce767 (このIDを非表示/違反報告)
奈乃 - 更新頑張ってくださいね！ (2017年12月4日 18時) (レス) id: e19d1310b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：剣城京菜 | 作成日時：2017年12月4日 0時
