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百七十一 ページ21

抵抗するも自身の手も足も動かない。

足に関してはいつの間にかつるかなにか巻きつかれているようだ。


「こんな幼く可愛らしい顔が歪んでしまうのはなんて素晴らしいことなのだろうな」


「離して‼」


私は諦めずにもがき続けた。


「……馬鹿な小娘だ」


近くにいた巨体の化け物がこちらに気づいたようだ。

大きな影が背後から私の影を消した。


「もう好きになんてさせないよ‼オロチ‼」


私は目一杯叫んだ。

瞬間、巨体の化け物の影が分裂された。

ぼとぼとと肉塊となって赤く染まる。


「Aから離れろ‼」


凄い剣幕でオロチは赤い目に拳を叩き込んだ。

だけどそれが当たることはなく、赤い目は姿を戻しその家の屋根に飛び乗った。

足に巻きついたつるが緩み、その内に私は抜け出した。


「それで勝った気でいるのか」


赤い目は何本ものつるを槍の雨のように降らせた。

オロチは簡単に避ける。

私に当たりそうであればオロチはそのつるを叩き、軌道をそらせた。


「A‼」


「だ、だめ‼御札駄目だった……‼」


まだ御札は私の手の中にある。

方法なんてもうないのに。

その希望でさえもう失った。


「オロチ‼」


私は見てしまった。


「っっ‼」


大きく鋭いつるがオロチの体を貫いたのを。

オロチはそのまま地面に叩きつけられた。


「オロチ‼」


私は駆け寄り、オロチの体を起こした。

オロチの体はくたりとして動かない。

目すら開かない。


「やだやだやだ‼死んじゃやだ……っっ‼」


私は必死にオロチの肩を揺らした。


「あっははははは‼勝負はついた。約束通り我の物になれ」


赤い目は大声で笑う。

私は腸が煮えくり返る思いだった。


「うるさい‼私はあなたのものになんかならない‼私"たち"は決めたの‼幸せになるって‼」


「いくらでも言え‼だが現状は変わることはないだろう‼貴様1人ではここまで来ることすらままならない」


立ち上がろうとしたその時、腕を強く引っ張られた。


「……オロチ?」


腕を引っ張ったのはオロチだった。

それで不可解な点があることに気づいた。

てっきりオロチの体には大きな穴があいてしまったと思っていたが、何故かオロチにはその様な怪我が一切見えなかった。

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設定タグ:妖怪ウォッチ , オロチ , 剣城京菜   
作品ジャンル:アニメ
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剣城京菜(プロフ) - 奈乃さん» http://uranai.nosv.org/u.php/list/Take2241/ こちらのURLに飛んで貰えれば完結したものが全て入ってます!もしくは私の名前をタップかクリックして貰えれば見つかります! (2017年10月21日 23時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
奈乃 - どんな作品がありますか? 読んでみたいです! (2017年10月21日 23時) (レス) id: e19d1310b2 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - 奈乃さん» 楽しんで頂けて良かったです!残念ながらこの作品の続編を作る予定はありませんが現在投稿中の作品も過去作品もありますので良かったらそちらも読んで頂けると嬉しいです(^^) (2017年10月21日 18時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
奈乃 - 面白かったです!続編見たいです (2017年10月21日 18時) (レス) id: e19d1310b2 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - capeさん» ありがとうございます!今後も頑張りますっっ (2017年8月28日 17時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2017年8月2日 1時

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