百七十 ページ20
私はそう叫んで、来た道を全速力で走った。
そしてどこかの一軒家のブロック塀の裏へ逃げ込んだ。
ブロック塀の向こう側では巨体の化け物がずるずるとコンクリートの地面に鉄の塊を引きずらせながら私を探している。
私は呼吸を自由に整えることができないまま、静かに震わせながらなんとか酸素を取り得ようとした。
ブロック塀を背にずるずると身をかがませた。
すると突然耳に息が漏れるような声が聞こえた。
「……‼」
そちらの方を見るとそこには何故か赤い目がいた。
「ど、どうして……‼」
赤い目は人差し指を私の唇にあてた。
「騒ぐと奴らに気づかれるぞ」
私はぐっと堪えて言葉を飲み込んだ。
「律儀な奴だ。我が大人しく待っているとでも?」
「……あなたは間違った。こんなにも近くにいれば私はあなたをーー……」
私はポケットに入れていた御札を取り出して赤い目へ突きつけた。
だけど、なにも起こらなかった。
「な、なんで……‼」
赤い目はにやりと笑った。
「無知なもの程残酷なものはない。平和ボケでもしていたのか?……ああ、その目だ」
赤い目は両腕を掴んで私に覆いかぶさった。
「……形勢逆転だ。今の貴様に何ができる?助けでも呼ぶか?だが叫んだところで貴様は無残に死ぬだけだ」
人型だった影が揺らぎ姿をオロチへと変えた。
「それとも、もう一度死を望むか?」
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剣城京菜(プロフ) - 奈乃さん» http://uranai.nosv.org/u.php/list/Take2241/ こちらのURLに飛んで貰えれば完結したものが全て入ってます!もしくは私の名前をタップかクリックして貰えれば見つかります! (2017年10月21日 23時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
奈乃 - どんな作品がありますか? 読んでみたいです! (2017年10月21日 23時) (レス) id: e19d1310b2 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - 奈乃さん» 楽しんで頂けて良かったです!残念ながらこの作品の続編を作る予定はありませんが現在投稿中の作品も過去作品もありますので良かったらそちらも読んで頂けると嬉しいです(^^) (2017年10月21日 18時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
奈乃 - 面白かったです!続編見たいです (2017年10月21日 18時) (レス) id: e19d1310b2 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - capeさん» ありがとうございます!今後も頑張りますっっ (2017年8月28日 17時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2017年8月2日 1時