百六十九 ページ19
黒いつるがあちこちに伸びて人質を捕える。
「あっははははは‼待っていたぞ。」
目の前に現れた赤い目は壺を抱えていた。
「我の手の内は既に知られているようだから改めての説明はしなくて良いだろう。不幸の魂は２つで１つ。まとめてかかってこい」
赤い目はにやりと笑う。
オロチが逃がさないと赤い目に飛びかかかった。
「おっと、そんなに慌てるな。我と向き合う前にちょっとした遊びをしよう」
赤い目はいつの間にか家の屋根に立っていた。
「やはり我は貴様が欲しい。あの時見た目が忘れられんのだ。だからこうして勝負を仕掛けたのだ。だがこのままでは私が圧倒的不利だ」
すると地面に複数の黒い影が出てきた。
その黒い影からずるずると手が這い出してきて、こちらへ近づいてくる。
「日和家の前で待っていよう。無傷は免れぬまい。せいぜい生きていることを願おう」
そう言って赤い目は消えていった。
「そんな……」
「……ここで体力を消耗させようというわけか」
オロチは空を見上げる。
空には１つ目の羽の生えた影が飛んでいる。
「悩んでもなにも変わらん。行くぞ」
「う、うん……」
地面からずるずるとこちらへ近づいてくる手の影は決して早くない。
だけど、鋭い爪を持っているようだ。
周りには赤い火の玉がふわりふわりと横切り、あの学校でのことを思い出す。
なんでもかんでも怖くて凄く怯えていた。
だけど今はそんな気持ちは多少残るもののあの時のように恐怖だけに支配されてはいなかった。
一人でせかせかと歩いてしまうオロチを見失わないように私は追いかけた。
ここは住宅街で見通しが悪い。
オロチが曲がってしまって数秒姿が見えなくなると不安になる。
オロチは度々振り返って私を確認する。
今、オロチがこちらを振り返って曲がった。
そして私は違う道から何かがこちらへ向かってきているのが見えた。
それは学校で見たのと同じ巨体の化け物だった。
「オロチ‼逃げて‼」
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剣城京菜(プロフ) - 奈乃さん» http://uranai.nosv.org/u.php/list/Take2241/ こちらのURLに飛んで貰えれば完結したものが全て入ってます！もしくは私の名前をタップかクリックして貰えれば見つかります！ (2017年10月21日 23時) (
レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
奈乃 - どんな作品がありますか？ 読んでみたいです！ (2017年10月21日 23時) (レス) id: e19d1310b2 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - 奈乃さん» 楽しんで頂けて良かったです！残念ながらこの作品の続編を作る予定はありませんが現在投稿中の作品も過去作品もありますので良かったらそちらも読んで頂けると嬉しいです(^^) (2017年10月21日 18時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
奈乃 - 面白かったです！続編見たいです (2017年10月21日 18時) (レス) id: e19d1310b2 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - capeさん» ありがとうございます！今後も頑張りますっっ (2017年8月28日 17時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：剣城京菜 | 作成日時：2017年8月2日 1時
