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「おかえり、オロチ……っ‼」
もう、空虚な生活なんて送らなくていいのだと私はまた救われた思いだった。
「あっはははははは‼」
絶望へと導いたのはかつて私を闇へと誘ったもの。
「な、んで……っっ」
私は半歩下がった。
何故だか大粒の涙が数滴こぼれ落ちた。
「そうだその顔だ‼我が最も見たかったものは‼絶望しかないその表情……‼これを見る為に何十年も待ったのだ‼」
赤い目。
かつてそれは私が私の意思で祓ったもの。
祓われたものが何故ここに……?
「"何故我がここにいるか"貴様は今そう考えているだろう」
オロチの姿をした赤い目はゆっくりと私の目の前に立った。
「全ては私の思うがままに貴様らは踊らされていたのだ。さながら操り人形のようにな」
赤い目は私の耳元でそう囁いた。
私は一切動くことができなかった。
「間違っていたのだ。祓うべきものは私ではなかった。本当に祓うべきものは貴様の心の中に空いた場所に埋まる者……嘘が分かると嘘をついたな?なにも知らないふりをして事実が変わるとでも思ったのか?」
赤い目は私の頭をくしゃくしゃに撫でた。
「触らないでっっ‼」
似ている。
嫌。
私は赤い目の腕を振り払った。
そして引き出しの中を漁り、御札の束を引っ張り出した。
「愚かな娘……我はお前の味方だ」
赤い目がその御札の束に人差し指で触れた瞬間、それは一瞬のうちに燃えてなくなってしまった。
「もう一人の幼子。……オロチと言ったか。幸せなど見たく無いがため今日までの出来事はなにも分からが想いが強くなっているな?その好意はもはや恋心……。しかし奴はお前に大きな嘘をついている。……もう気づいているのであろう?」
赤い目が私を飲み込む。
視界がぼやけていき、なにも見えなくなった。
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剣城京菜(プロフ) - 奈乃さん» http://uranai.nosv.org/u.php/list/Take2241/ こちらのURLに飛んで貰えれば完結したものが全て入ってます!もしくは私の名前をタップかクリックして貰えれば見つかります! (2017年10月21日 23時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
奈乃 - どんな作品がありますか? 読んでみたいです! (2017年10月21日 23時) (レス) id: e19d1310b2 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - 奈乃さん» 楽しんで頂けて良かったです!残念ながらこの作品の続編を作る予定はありませんが現在投稿中の作品も過去作品もありますので良かったらそちらも読んで頂けると嬉しいです(^^) (2017年10月21日 18時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
奈乃 - 面白かったです!続編見たいです (2017年10月21日 18時) (レス) id: e19d1310b2 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - capeさん» ありがとうございます!今後も頑張りますっっ (2017年8月28日 17時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2017年8月2日 1時