百七 ページ7
はしごを壁に立てかけると私は勢い良く登った。
屋根に足がついた途端、瓦が崩れる。
それでもなんとか耐えるとよろよろと手をつきながらパレード先頭を進むかぼちゃへ向かった。
たまに吹く大風は意地悪く私をよろめかせた。
「ここからなら……」
かぼちゃの棒と同じくらいの高さの屋根によじ登った。
手を思いっきり伸ばせば届く距離。
「……ねぇってば‼」
妖怪は私に気づいているはずなのに手を伸ばそうとしない。
この状況に見覚えがある気がした。
あぁ、そっか……。
私と似てるんだね。
「……怖いよね。よくわかるよ、私も怖かったもん」
知らない間にハロウィンに対しての騒ぎではなく違う騒ぎに変わる。
「私も信じてる。だから……あなたも信じてよ」
なにも、怖くないから。
私は迷うことなく夜の空へ飛び出した。
飛びついてきた妖怪を抱きしめ、私たちは重量に従う。
そこから見えたのは満点の星空。
「わ……っっ」
なにか背中にふわふわの柔らかいものがあたり、私たちは跳ねる。
パレードの音楽と歓声。
「……大丈夫？」
その妖怪はこくりと頷いた。
「ママ‼」
「ポンちゃん‼」
その妖怪はママと言われる妖怪が来るとぴょんと跳ねて抱きついた。
「ありがとう。本当にどう言えば……」
「……ううん、気にしないで」
人と妖怪の上で流れに流される。
「あっ、イナホちゃん……」
こちらを見上げてイナホちゃんたちが両手をぶんぶんとふっているのが見えた。
「あの、おろして……」
おろしてもらうと足がもつれ、その場にぺたんとしゃがみこんだ。
「大丈夫？」
「うん、でもちょっと動悸する……」
胸に手を当てるとばくばくと心臓が動いていた。
「当たり前ダニ。怪我はしなかったダニか」
私は首を縦にふった。
イナホちゃんの手を借りて立ち上がる。
「ぁ……」
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奈乃 - 面白いですね。 はまります。 (2017年10月21日 21時) (
レス) id: e19d1310b2 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - ヒカリさん» ありがとうございます！頑張ります (2017年8月2日 1時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
ヒカリ - とっても面白かったです!更新頑張ってください! (2017年7月31日 16時) (レス) id: ec7a8320b4 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - 文連さん» ありがとうございます！！とっても長編になってしまうと思いますが最後まで読んで頂けたら嬉しいです(^^) (2017年6月12日 1時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
文連(プロフ) - 黒髪の子が誰なのか気になりますね。最初から見させていただいています。貴方の書くオロチはいつも可愛くて読んでいて楽しいです (2017年6月11日 17時) (レス) id: c16134aa36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：剣城京菜 | 作成日時：2017年6月11日 15時
