百六 ページ6
人だかりを、妖怪だかりをくぐり抜け、パレードの列へと入った。
かぼちゃの乗り物には立ち入らないようにと紐でガードされていた。
その紐を持つスタッフらしき妖怪が私の方を見た。
「ここからは立ち入り禁止だよ。プレゼントは最後に貰えるからね」
「で、でも‼あれ‼」
指を指して訴えようとその妖怪は聞き入れてくれなかった。
終いには他のスタッフに抱えられパレードから外されてしまった。
こうしている間にあの妖怪は怯えている。
どうしようかと悩んでいると近くの看板らしきものに目が止まった。
近寄って見るとそれはこの辺り周辺の地図だった。
「……使えない」
それは明らかに今いるこの妖魔界の地形ではなかった。
「そう言えばあの男の子……２つの世界が混ざり合ってるって言ってたな……。ここに来ちゃったのもそれが理由なら地形もぐちゃぐちゃになっちゃうのもあり得る……」
私はなんとかできないかと色々考えた。
だけどなにも浮かばなかった。
ふと私は路地裏を覗き込んでみた。
路地裏は誰の気配もなく、ただゴミ置き場からはみ出した空き缶と空き瓶が転がっているだけで。
「ぁ……」
ゴミ置き場を覗き込んでみると、はしごが捨てられていた。
腐敗してあちこち脆くなっているが１回ぐらいなら使えそうな気がした。
普段ならこんなこと進んでやらないのだけど正体の分からないものが私を都合良くそんな気分にさせた。
なんだか今ならなんでも出来そうな気がする。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 19人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
奈乃 - 面白いですね。 はまります。 (2017年10月21日 21時) (
レス) id: e19d1310b2 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - ヒカリさん» ありがとうございます！頑張ります (2017年8月2日 1時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
ヒカリ - とっても面白かったです!更新頑張ってください! (2017年7月31日 16時) (レス) id: ec7a8320b4 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - 文連さん» ありがとうございます！！とっても長編になってしまうと思いますが最後まで読んで頂けたら嬉しいです(^^) (2017年6月12日 1時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
文連(プロフ) - 黒髪の子が誰なのか気になりますね。最初から見させていただいています。貴方の書くオロチはいつも可愛くて読んでいて楽しいです (2017年6月11日 17時) (レス) id: c16134aa36 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：剣城京菜 | 作成日時：2017年6月11日 15時
