百四十九 ページ49
人間って不思議だ。
どんなに辛いことがあってもそのうち忘れてしまうのだから。
なのにふとした拍子に思い出しては夜、泣き続ける。
でも次第にそれすらもしなくなってしまう。
彼は私の中にはもう居ない。
出ていってしまった。
年を越し、今年もよろしく、なんて言えるはずもなく私は空気を掴んだ。
私は自分の気持ちを伝えることも気づくことさえできないまま、失恋と言うものをしてしまったのだろうか。
「ねぇ、Aちゃん。最近オロチと一緒じゃないみたいだけど……」
「オロチ?……それ誰?イナホちゃんてばまた変なこと言ってるんだから……。そういえば昨日ね……」
もう、彼は私の中には居ない。
また彼の中にも、私は居ない。
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奈乃 - 面白いですね。 はまります。 (2017年10月21日 21時) (レス) id: e19d1310b2 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - ヒカリさん» ありがとうございます!頑張ります (2017年8月2日 1時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
ヒカリ - とっても面白かったです!更新頑張ってください! (2017年7月31日 16時) (レス) id: ec7a8320b4 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - 文連さん» ありがとうございます!!とっても長編になってしまうと思いますが最後まで読んで頂けたら嬉しいです(^^) (2017年6月12日 1時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
文連(プロフ) - 黒髪の子が誰なのか気になりますね。最初から見させていただいています。貴方の書くオロチはいつも可愛くて読んでいて楽しいです (2017年6月11日 17時) (レス) id: c16134aa36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2017年6月11日 15時