百五 ページ5
それから数十分が経った。
道行く人と妖怪に聞き込みも入れてオロチを見つける為にずっと歩いていた。
パレードでは大きなかぼちゃの乗り物が先頭をゆっくり進み、その上では仮装した妖怪が踊っている。
「高いところからならわかるかも‼」
「駄目ダニ‼パレードをめちゃくちゃにする気ダニか‼」
走り出そうとするイナホちゃんをUSAピョンがしがみついて止めた。
「えぇ〜だってー」
イナホちゃんはかぼちゃの乗り物に手をぶんぶんと伸ばす。
それは当たり前だが届くはずがない。
私はそのかぼちゃの乗り物をじっと見つめた。
コーヒーカップのように頭部をくり抜いた形で真ん中に高く棒が刺さり、そこから三角の飾りが乗り物の縁を結んでいた。
それが連結して何台も連なっている。
先頭を走るのは魔女の帽子を被った一際大きいかぼちゃ。
「……なにあれ」
先頭のかぼちゃの頭に突き刺さった棒のてっぺんになにか白っぽいものがくっついていた。
「ん〜？あ‼あれはセラピアーズハロウィン限定フィギュアじゃありませんか‼」
「違うダニ‼もっと上見るダニ‼」
目を凝らして見るとそれはくるくるりと回る。
「あれは妖怪ダニ‼でもなんであんなところに……」
「さあ？お祭りごとになるとああやってはしゃぎたくなる人もいるからねぇ」
イナホちゃんが呑気にそう言うと突然大風が吹いた。
かぼちゃに突き刺さった棒が頼りなくグラグラと揺れる。
「……あのままじゃ落っこちちゃうよ‼」
気づくと私はイナホちゃんたちを置いてパレードのかぼちゃへ走っていた。
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奈乃 - 面白いですね。 はまります。 (2017年10月21日 21時) (
レス) id: e19d1310b2 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - ヒカリさん» ありがとうございます！頑張ります (2017年8月2日 1時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
ヒカリ - とっても面白かったです!更新頑張ってください! (2017年7月31日 16時) (レス) id: ec7a8320b4 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - 文連さん» ありがとうございます！！とっても長編になってしまうと思いますが最後まで読んで頂けたら嬉しいです(^^) (2017年6月12日 1時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
文連(プロフ) - 黒髪の子が誰なのか気になりますね。最初から見させていただいています。貴方の書くオロチはいつも可愛くて読んでいて楽しいです (2017年6月11日 17時) (レス) id: c16134aa36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：剣城京菜 | 作成日時：2017年6月11日 15時
