百二十六 ページ26
オロチが出かけてしまって暇になった頃、私はもぞもぞとベッドから這い出した。
「といれ……」
うとうとしかけてた眼を擦り、よたよたと部屋の扉を開ける。
瞬間合った目が私を深く飲み込んだ。
反射的に扉を閉めようとするとそれはもう遅く、片手を扉にかけられていた。
乱雑に扉が開かれ、私は尻もちをついた。
「……あんた今誰と話していたの」
お婆ちゃんはベッドに置かれた人形を乱雑に掴むと扉の外へ放り投げた。
「きったない人形ね。まるであんたそっくりだわ」
私は慌ててその人形を拾うとぎゅっと守るように抱きしめた。
「誰もいないじゃない、やっぱりあなたおかしいわよ。早く公彦を返しなさいこの化け物……っっ」
振りかざされた杖は勢い良く私に振り落とされる。
「……っっ」
「あんたのせいなのよ。あんたのせいで明彦が死んだ。ついでにあのクソ女も。夏恋って女もあんたが殺したんでしょ。早く失せなさいよ。気持ち悪い」
違う違う違う違う違う違う。
いらないいらないいらない。
「公彦はあんたがとんでもない化け物だってまだ信じてないわ。でもね、それも私が暴いてやるわ‼」
そう言ってお婆ちゃんはどかどかと杖で部屋を散らかし部屋を出ていった。
私はただ一点を見つめ、痛みを受け入れた。
ああ、痛い。
でもきっとこれは必要な痛みなんだ。
だから受け入れないといけない。
ごめんなさいお婆ちゃん。
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奈乃 - 面白いですね。 はまります。 (2017年10月21日 21時) (
レス) id: e19d1310b2 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - ヒカリさん» ありがとうございます！頑張ります (2017年8月2日 1時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
ヒカリ - とっても面白かったです!更新頑張ってください! (2017年7月31日 16時) (レス) id: ec7a8320b4 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - 文連さん» ありがとうございます！！とっても長編になってしまうと思いますが最後まで読んで頂けたら嬉しいです(^^) (2017年6月12日 1時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
文連(プロフ) - 黒髪の子が誰なのか気になりますね。最初から見させていただいています。貴方の書くオロチはいつも可愛くて読んでいて楽しいです (2017年6月11日 17時) (レス) id: c16134aa36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：剣城京菜 | 作成日時：2017年6月11日 15時
