夜桜51 ページ1
えんらえんらのあとをついていきながら、私は妖魔界という人間界とは違う風景を見ていた。
いろんな妖怪が居て、いろんな暮らしをしていて、なんとも不思議で面白い。
だけど何故かとても惹かれるものがあった。
「あっ‼Aずら‼」
コマさんとコマじろうが私に気づき、ぽてぽてと走って来た。
「いい匂いずら〜」
コマさんがぴっとりと足にくっついてきた。
「兄ちゃん女の子にそれは駄目ずら‼」
コマじろうが慌ててコマさんを足からひっぺがした。
「そう言えばAはこれから人間界へ行くずらか?」
頷くとコマさんはぴょこぴょことジャンプした。
「お供するずら‼」
「おらたちも人間界へ帰るずら」
こうして2人も一緒に人間界へ行くこととなった。
妖魔界のことを教えて貰いながら歩いていると、突然空からなにか落ちてくる音が聞こえた。
「もんげー‼」
コマさんの目の前に落ちたそれは勢いのあまり地面にひびを作った。
「あら、オロチ〜もっと丁寧に降りてよね〜」
オロチは険しい表情をしていた。
「そんなことどうでもいい。Aを探してるのだが知らないか」
えんらえんらは後ろにいた私を指差した。
それにつられコマさんとコマじろうも後ろを振り向いた。
「オロチ……」
怒られるかとひやひやしながらかける言葉を待った。
オロチは険しい顔のまま私の元へ近寄るとじっと見つめた。
そして突然きょとんとした顔をした。
「……その格好はどうした」
「あ、その。いろいろあって、ね」
なにか返される言葉もなく沈黙を続ける。
すると突然何かがぶつかりガラガラと崩れる音が聞こえた。
「カエセ……ッッ」
5つ目がふらふらとぶつかりながらこちらへ向かってくる。
「まだ追ってくるか……っ」
「まって‼」
私はオロチの腕を掴んだ。
「今は構ってる暇はない‼」
オロチは私の腕を乱暴に振りほどき、5つ目に飛びかかった。
倒れそうになった私をえんらえんらとコマさんとコマじろうが支えてくれた。
オロチと5つ目、力の差は圧倒的にオロチの方が上で5つ目は反撃もできずオロチの拳を受けるばかり。
「やめてってば‼オロチ‼聞いてよっっ‼」
腹の底から叫んでもその声はオロチには届かない。
「今のオロチになにを言っても聞こえないわ〜……」
「じゃあどうしろって言うの⁉」
16人がお気に入り
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
奈乃 - ドキドキできて、おもしろいです! (2017年11月18日 16時) (レス) id: e19d1310b2 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - めがみんみんさん» そうでしたか!ありがとうございます!! (2017年11月4日 20時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
めがみんみん - よく見たら歴代オロチシリーズ全部見てました…(ºωº)あなたの温もりは(題名違ったらごめんなさい)とかのもニヒニヒ笑って見てました!今更ですけどほんとに凄いですね!新作絶対見ます! (2017年11月4日 19時) (レス) id: 2c7c481a55 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - めがみんみんさん» ありがとうございます!既に新作出ていますのでそちらも読んでいただけると嬉しいです(*^^*) (2017年11月3日 23時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
めがみんみん - とても素敵な作品でした。私はとてもオロチが好きなのですが、この小説を寝る前とかに読んでニマニマしながら寝るのが日課となっていました(笑)完結は少し寂しかったですが、新しい作品を期待しています!これからも頑張ってください! (2017年11月3日 23時) (レス) id: 2c7c481a55 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:剣城京菜 | 作成日時:2017年10月9日 0時